高木美帆 ジュニア総合女王「これを糧にシニアで上を」

[ 2012年3月4日 06:00 ]

女子総合で初優勝し、メダルを手に笑顔を見せる高木美帆

スピードスケート世界ジュニア選手権第2日

(3月3日 北海道帯広市・明治北海道十勝オーバル)
 4種目の総合で女子の高木美帆(17=北海道・帯広南商高)が161・296点で初優勝した。日本勢の総合優勝は04年大会の石野枝里子(現日本電産サンキョー)以来8年ぶり。初日2位だった高木美は1000メートルで1分17秒69の1位、3000メートルで4分14秒63の4位となり、前回優勝のカロリナ・エルバノバ(チェコ)を逆転した。男子は総合で中村奨太(北海道・駒大苫小牧高)が5位に入った。

 2種目とも、滑り終えると珍しく拳を握り締めた。優勝を決めると日の丸をはためかせて笑顔でウイニングラン。ジュニアとはいえ初の世界一を手にした高木美は「地元だし特別な大会だった。気持ちいいものがありますね」と喜んだ。

 会心の滑りをそろえた。エルバノバと同走した1000メートルは先行されたが、作戦通りに中盤のストレートで鮮やかに抜き去った。タイムに換算して0秒048差まで追い上げて迎えた最終種目の3000メートルは「最初から飛ばして最後まで粘れた」と、目標通りの4分14秒台を出して逆転した。

 順調な成長を支えるのは貪欲な姿勢だ。短距離、長距離ともシニアの国際大会を転戦しながら「出られる大会は全部出る」と昨年末には北海道の高校生の大会も滑った。過密日程も「今しかできない経験」と前向きに消化し、タフさに磨きをかけた。

 500メートルもメダルを見込めるため、当初出場しない予定だった4日の2回目も滑ることにした。向上心旺盛なホープは「この優勝もうれしいけど、これを糧にシニアで上を目指したい」と力を込めた。

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2012年3月4日のニュース