北京五輪は補欠 藤原新「踏んだり蹴ったりの一年」から一転の好記録

[ 2012年2月26日 11:41 ]

男子で日本選手トップとなる2時間7分48秒の2位でゴールする藤原新

 市民ランナーの星、川内優輝(埼玉県庁)の走りが注目された26日の東京マラソンで、藤原新が2位になった。日本男子では歴代7位の好記録だった。

 自由な環境を求めて実業団を飛び出し、一人で走り続ける30歳。過去2位が2度のレースで「今回は勝負勘がさえている。五輪切符をつかみたい」と静かに闘志を燃やした。

 一昨年3月にJR東日本を退社。プロランナーに転向したが、昨年は度重なる故障や所属企業との契約解除もあり「踏んだり蹴ったりの一年」だった。「川内君との違いは給料があるかないか。貯金を切り崩しながらの生活です」と苦笑する。

 「求道者スタイルで自己管理能力が高い」と評する川内さながらの実戦練習を多く取り入れ、復活への足掛かりをつかんだ。「自分にビンタする気持ち」で苦境を乗り越え、大会関係者には「今回は2時間6分台が目標」と打ち明けたという。

 24日の記者会見で2時間7分台を宣言した川内が目標タイムを明言しない藤原を「新さんは完全に日本記録更新を狙っている。僕も燃えてきた」と冗談めかして挑発すると、藤原も「25キロ以降は一緒に先頭を引っ張ろう。後ろにピタッとつくのは駄目だからね」とけん制する一幕もあった。

 2008年北京五輪は補欠だった。「今回の東京で僕の値段が決まる」。競技人生を懸けた一発勝負で見事、ロンドン五輪出場へ大きく前進した。

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2012年2月26日のニュース