15歳の高梨沙羅が圧勝初V!最長不倒93・5メートル

[ 2012年2月8日 06:00 ]

雪が舞う中、K点越えの93・5メートルをマークした高梨の1回目

ノルディックスキージャンプ全日本選手権最終日

(2月7日 北海道札幌市・宮の森ジャンプ競技場=HS100メートル、K点90メートル)
 ノーマルヒルを行い、女子は、1回目に最長不倒の93・5メートルをマークした15歳の高梨沙羅(北海道・上川中3年)が213・5点で初優勝を飾った。内容には不満だったが、正式種目となる14年ソチ五輪の期待の星はきょう8日からの欧州遠征に弾みをつけた。男子は吉岡和也(33=土屋ホーム)が210・0点で初優勝し、ラージヒルとの2冠を達成した。

 5日のNHK杯に続く圧勝でも15歳に笑顔はなかった。引き揚げてきた高梨は「納得のいくジャンプを飛べなかった」と反省の言葉とともに、小さく息を吐き出した。

 降雪に加え、2回目には霧が加わる悪条件。6位入賞した昨年2月の世界選手権(ノルウェー・オスロ)で濃霧を経験しただけに「落ち着いてできた」と振り返るが、細かい部分でミスがあった。93・5メートルをマークした1回目には着地時にテレマークを入れられず、2回目は踏み切りのタイミングを外して83メートルにとどまった。15歳とはいえ国内ではトップクラス。伊藤有希(下川商高)らW杯組が不在の中では結果より内容も重視される。「やらなきゃいけないことをできなかった」と自分に厳しかった。

 8日にはW杯(11日開幕、スロベニア・リュブノ)と世界ジュニア(20日開幕、トルコ・エルズルム)に向けて出発する。日頃携帯しているiPodには、調子のいい時の練習ジャンプの映像が入っており、遠征の移動中は常に見返してきた。世界での戦いに向け「移動中にイメージを切り替えたい」と修正することも忘れていない。

 今春から、競技環境と英語習得を目的に旭川市のインターナショナルスクールに進学する高梨は「世界トップの選手と戦うのが楽しみ」と声を弾ませる。14年ソチ五輪の星は、着実にメダルへの階段を駆け上がっている。

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