駒大Vの鍵1年生村山 2区起用の指揮官「判断力ある 途中で仕掛けられる」

[ 2012年1月1日 08:39 ]

1年生でエース区間の2区に起用された駒大の村山謙太

第88回箱根駅伝

 駒大の大八木弘明監督は「久々に前半もいい選手をそろえないといけない」と珍しく往路重視の姿勢を見せる。

 駒大と言えば、過去6度の総合優勝のうち4回を復路での逆転で制している。豊富な戦力を生かして復路にも主力を配して抜け目ないレースをするのが必勝パターン。だが、勝負の年と位置づける今回は従来の型にこだわってはいられない。

 「5区には柏原君がいる。1~4区で相当頑張らなければいけない」。“新・山の神”柏原竜二擁する東洋大に5区までに十分な貯金を稼がなければ勝機は薄いとみて、往路にエース級を並べるプランだ。

 鍵を握るのが2区に抜てきしたスーパールーキーの村山謙太だ。9月のインカレ5000メートルは衝撃的だった。ラスト300メートルのスパートで、優勝候補の大迫傑(早大)を抜き去り、トップでゴール。留学生、社会人経験者を除けば、1年生として43年ぶりの優勝だった。「判断力がある。(集団に)前半はついて、途中で仕掛けられる」と指揮官の期待も大きい。

 宮城・明成高時代は5000メートルの持ちタイムが昨年の全国ランクトップの13分49秒45。「当時は有頂天で(大学では)かましてやろうと思ってました」と笑う。明るくて強気。目標とする選手はラストスパートに絶大な力を持っていた名ランナー、瀬古利彦だ。ユーチューブで当時のレースを見るという。村山も「持ち味はラストスパートです」と自信を見せる。

 駒大は、エントリー選手上位10人の1万メートルのベストタイムが平均28分40秒で20チーム中トップ。今年は全日本大学駅伝も3年ぶりに制し、4年ぶりの総合優勝の準備は整っている。村山の切れ味鋭いスパートでいい流れを呼び込みたい。

 ◆村山 謙太(むらやま・けんた)1993年(平5)2月23日、宮城県生まれ。明成高卒。出雲は1区で区間13位、全日本は2区で区間3位。1万メートルのベストは28分17秒57。双子の弟・紘太は城西大の1区にエントリー。1メートル74、53キロ。

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2012年1月1日のニュース