大八木GM花道飾る…高知中央、4度目の花園で悲願1勝

[ 2011年12月28日 06:00 ]

<山形中央・高知中央>花園初勝利を挙げ、選手と握手をかわす大八木GM

全国高校ラグビー第1日 高知中央35―17山形中央

(12月27日 東大阪市・花園ラグビー場)
 1回戦8試合が行われ、元日本代表で伏見工、同大、神戸製鋼でもロックとして活躍した大八木淳史氏(50)がGM兼部長を務める高知中央(高知)が山形中央(山形)に35-17で勝ち、4度目の出場で花園初勝利を挙げた。高知県勢にとっては13大会ぶりの通算2勝目。また62回大会以来、出場を逃した65回大会を除けば、常に初戦を突破してきた大分舞鶴(大分)が敗れる波乱があった。

 夢にまで見た花園初勝利。大八木氏は「(1勝まで)長かった。高知にまいた種がようやく一つ芽を出しました」と感慨に浸った。

 07年3月、他の部をやめた生徒の受け皿としてラグビー部が発足。同年4月、大八木氏がGMに就任したが、当初はトラブル続きだった。部員同士のけんかもあれば、帰省した生徒が戻ってこないこともあった。

 「横道に外れそうなヤツを軌道修正するのが仕事でした」。落ちこぼれの生徒たちがラグビーに打ち込み全国優勝するドラマ「スクール☆ウォーズ」の登場人物のモデルである大八木氏は、時間の許す限り顔を出し指導した。創部2年目での初出場から4年連続で花園に進んだが過去3年は初戦敗退。昨年は正智深谷に0-74。大敗を教訓に今季は徹底的に走り込んだ。後半に2トライを挙げて突き放したのはその成果だ。梶山修平監督(27)は「はじめの2年は花園に出ること、この2年は花園で勝つことを目標にしてきた。ようやくです」と話した。

 部員の大半が県外出身者で中国からの留学生も4人。後半12分にトライを奪ったプロップ佐藤は19歳。三重・稲生高でラグビー部に在籍したが、引きこもりになり昨年中退。4月に編入し3年生をやり直している。高知中央を象徴する存在だ。

 エリートとは呼べない集団を率い、高知県勢13大会ぶりの通算2勝目。大八木氏は「これでひと区切りです」と今季限りで退任する意向を示唆した。来年1月1日付で芦屋大の特任教授に就任。同4月に創部される芦屋中ラグビー部のサポート役も担う。「スポーツの価値、創造を具現化したい」と言う大八木氏の次なる挑戦が始まる。

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