11年V締めから一夜…飛躍誓う真央“昇り竜の年に”

[ 2011年12月27日 06:00 ]

エキシビションで軽快なスケーティングを披露する浅田真央

 フィギュアスケート女子の浅田真央(21=中京大)が全日本選手権優勝から一夜明けた26日、大阪・なみはやドームで会見。9日に亡くなった母・匡子(きょうこ)さんに5度目の日本一をささげて11年を締めくくった浅田は、3月に世界選手権(フランス・ニース)が控える12年の飛躍を誓った。この日は同会場で行われたエキシビションに出演し、華麗な舞で観衆を魅了した。

 これまでとはあまりにも意味の違う演技から一夜明け、浅田はリラックスした表情を浮かべていた。9日に最愛の母・匡子さんが死去。悲しみを乗り越えて5度目の優勝を届け、11年を締めくくった。「今年最後の試合を優勝で締めくくれて、うれしい気持ちとスッキリした気持ちです」と柔らかい笑みを浮かべた。

 3月11日に東日本大震災が発生したことで、本来の東京ではなくロシア・モスクワで代替開催された4月の世界選手権では、自己ワーストの6位に沈んだ。そして、最愛の母は容体が悪化して9日に天国に旅立った。つらいことが多かった11年。「ホントにいろんなことがあったけど、乗り越えられた」と振り返ると、12年に向けては「乗り越えたことを力にして流れに乗ることが大事。ジャンプでレベルアップできるように練習していきたい」と力強く意気込んだ。

 ジャンプでのレベルアップとは、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の解禁を意味する。今季は11月のNHK杯のSPで1回転半の失敗ジャンプとなって以降、封印し続けてきたが、状態は着実に上がっている。前日(25日)の公式練習でもクリーンな着氷を見せており、「自分のトリプルアクセルが戻ってきている。次の試合では絶対に跳ぶという気持ちを持っている」と話していた。次戦の四大陸選手権(2月、米コロラド州コロラドスプリングス)で大技を解禁するつもりだ。

 辰年の来年は、姉・舞(23)が年女。「舞について、昇っていけたらなと思います」。最大目標は3月の世界選手権での金メダル。昇り竜のように、母が眠る天に届くように、浅田が高く舞い上がる。

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