世界中が“真央頑張れ”! “同じ境遇”ロシェットも応援 

[ 2011年12月24日 06:00 ]

24日のSPに向けて公式練習を行う浅田真央

フィギュアスケート全日本選手権第1日 公式練習

(12月23日 大阪・なみはやドーム)
 みんなが真央を後押しする。世界選手権代表選考会を兼ねて開幕し、9日に母・匡子(きょうこ)さん(享年48)が亡くなった浅田真央(21=中京大)は、24日の女子ショートプログラム(SP)に向けて会場で調整した。

 浅田の元には元コーチのタチアナ・タラソワ氏(64)、バンクーバー五輪の演技直前に母を亡くしながら銅メダルを獲得したジョアニー・ロシェット(25=カナダ)から応援のメッセージが届いていることが分かった。

 悲しみを乗り越えて決戦に挑む浅田の背中を、世界中が優しく押した。9日に最愛の母・匡子さんが亡くなってから、まだ2週間。24日のSP、25日のフリーで5度目の優勝を目指す浅田の元に、世界のスケート関係者から応援のメッセージが届いていることが判明した。関係者は「いろんな方から、たくさんいただいています」と明かした。

 メッセージの差出人には、今季SP「シェヘラザード」の振り付けを担当し、10年バンクーバー五輪のシーズンまで師事したタラソワ氏、フリー「愛の夢」の振り付けをしたローリー・ニコル氏の名前もあった。関係者は内容の詳細は明かさなかったものの「“頑張って”という趣旨のものです」と説明する。タラソワ氏は今年4月に夫のウラジミール・クライノフ氏を亡くしており、自身も深い悲しみに沈む中、浅田を激励したもようだ。

 かつてのライバルも動いた。ロシェットは10年バンクーバー五輪の女子SP2日前に、母・テレーズさんを亡くした。当時、浅田は「凄く残念だけど頑張ってほしい」とエールを送り、ロシェットは魂の演技で銅メダルを獲得。今の浅田と酷似する状況を経験したカナダのヒロインはこのたび、「気持ちは分かる」と悲しみを共有するメッセージを届けた。匡子さんが亡くなった直後には、国際連盟のチンクアンタ会長も弔意の手紙を日本連盟の橋本会長に送っている。伊東フィギュア委員長は「会長が直接、そういう行動を取るのは異例のこと。世界のみんなが浅田選手のことを心配している」と話した。

 浅田はこの日の公式練習で、落ち着いた滑りを披露。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は転倒が1度あったものの、何とか4度着氷した。「たくさんの人にいい演技を見せられるように頑張りたい」。浅田は一人じゃない。支えてくれる世界のみんな、そして天国で見守ってくれる最愛の母へ。全力のスケーティングが、浅田からのアンサーだ。

 ▽世界選手権代表選考 (1)GPファイナルの日本人上位3人(出場が3人未満の場合、GPシリーズのランク日本人上位3人)(2)全日本選手権3位以内(3)全日本選手権終了後の世界ランク上位3人が選考対象。(1)~(3)のいずれかの基準を満たす選手から日本スケート連盟が総合的に判断し、25日に発表。現時点で女子は鈴木、浅田、村上、男子は高橋、羽生、小塚が(1)に該当。世界選手権は来年3月28日にフランス・ニースで開幕する。

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2011年12月24日のニュース