悲願のツアー初優勝へ 優作“藍流”思考で1打差2位

[ 2011年11月27日 06:00 ]

3日目を69で回り通算10アンダーの2位に浮上した宮里優作

男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン第3日

(11月26日 高知県芸西村 Kochi黒潮カントリークラブ=7280ヤード、パー72)
 2打差の2位から出た宮里優作(31=フリー)が、3バーディーの69で回り通算10アンダーで1打差の2位に詰め寄った。妹の“藍流”思考で通算13度目となる最終日最終組から悲願のツアー初勝利に挑む。通算11アンダーに伸ばした高山忠洋(33=法仙坊GC)が首位を守った。逆転賞金王には優勝が条件の石川遼(20=パナソニック)は、通算2アンダーの15位にとどまった。

 潮風を切り裂いた。最終18番パー5。宮里優は、残り254ヤードの第2打でユーティリティー(17度)を振り抜き、ピン右20メートルに乗せた。これをきっちり2パットで沈め、スコアを3つ伸ばして1打差の2位につけた。「今週は楽しんでやっている。久しぶりに72ホールやれそうな感じ」と充実した表情を見せた。

 東北福祉大在学中から注目を集めた男も既に31歳。アマ時代を含めて12回も最終日最終組で回りながら優勝することができず、ここまで来てしまった。周囲の期待に応えようと「気負ったり力が入ったりして自滅した」のが苦杯を喫した原因だったが、「今週は結果はどうでもよくて、今までやってきたことを最後までやり通したい」とのスタイルで臨んでいる。

 目の前の一打に集中する姿勢は妹の藍と同じ。実際、今季開幕前にはアリゾナで妹と合宿している時に、藍が指導を受けるニールソン・コーチらからも助言を受けた。スランプを克服して米ツアー4年目で優勝した藍同様、長いトンネルを抜けるヒントをつかんだ。藍からは第1日に首位発進した後に「ナイスプレー、頑張って」との応援メールが届いた。「しっかり回って良い報告ができればいい」。きょうの最終日は藍も沖縄在住の父・優さん、母・豊子さんも応援に来る予定はない。家族の「流れを切らさずに戦ってきて」との思いからだ。

 2週前には大学の後輩・松山がツアー初優勝。先を越された形だが、「先輩も後輩もたくさん勝っている。うれしかったですよ」と今は素直に称える心の落ち着きがある。勝てば次戦の日本シリーズ(12月1日開幕、東京よみうりCC)の出場権も得られる。だが、「今週が最後だと思っている」と目の前のプレーに集中する気持ちがぶれることはない。それが悲願につながると信じている。

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2011年11月27日のニュース