悲しみに暮れる角界関係者 福岡で急きょ「お別れ会」

[ 2011年11月7日 20:09 ]

鳴戸親方の遺体が安置された斎場を訪れた日本相撲協会の放駒理事長

 「昨日(6日)まで元気そうだったのに」。九州場所を目前にして、福岡市で急死した大相撲の鳴戸親方(元横綱隆の里)。7日夕、部屋主催で急きょ開かれた「お別れの会」には角界関係者ら約200人が駆け付け、会場は驚きと悲しみに包まれた。

 今場所、大関昇進がかかる鳴戸部屋の稀勢の里関。声を詰まらせながら「何とか(大関に)挑戦して、頑張る。恩返しできるよう、教えてもらった相撲を取りたい」と大粒の涙を流した。

 親方は6日に市内の鳴戸部屋で稽古を見守り、稀勢の里関の順調な仕上がりに満足そうな表情を見せていたという。

 「おまえ何しているんだ。早く起きろ」。同じ青森県出身の間垣親方(元横綱2代目若乃花)は遺体と対面し、こう声を掛けた。

 2人は入門時に同じ夜行列車で上京した仲。「自分が一歩早く(上位に)上がると、必ず追い掛けてきた。とにかく根性があった。良い弟子に恵まれ、これからというときだったのに」。悲しみをこらえていたが、思わず涙ぐみ口元を手で覆った。

 鳴戸親方が弟子に暴行を加えたとする週刊誌報道を受け、協会側が同親方に事情聴取した直後だったため、会場周辺には100人近い報道陣が詰め掛けた。週刊誌報道への対応について、日本相撲協会の放駒理事長(元大関魁傑)は「今はそういうことを言う時期じゃない」とだけ話した。

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