順大滑り込み9位!3年ぶり箱根出場

[ 2011年10月16日 06:00 ]

<箱根駅伝・予選会>順大のトップでゴールする田中

第88回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会

(10月15日 陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園の20キロ)
 名門校が明暗を分けた。優勝11回の順大は9位に滑り込み、3年ぶりの本大会出場を決めた。一方、昨年まで14年連続82回出場を果たし優勝12回を誇る日大は11位に沈み、9校に与えられる出場権を逃した。来年1月2、3日の本大会はシード校10校に関東学連選抜を加えた20チームで争う。

 出場権獲得校の発表で最後の9番目に順大の名前が読み上げられると、3年分の思いを込めた選手たちの絶叫がこだました。上位10人の合計タイムでは10番手だったが、関東インカレポイントを併用したランキングで9位に滑り込み。仲村明監督(44)は「うれしいのと、安どの気持ちでいっぱいです」と言って、目を真っ赤に腫らした。

 8月に剥離骨折した右足首が完治しないまま、痛み止めを飲んで走った的場亮太主将(4年)は「昨年までは伝統校の使命感があったけれど、挑戦者のつもりで頑張ろうと取り組んできたのがよかった」と胸をなでおろした。

 山上りのスペシャリスト、今井正人(現トヨタ自動車九州)を擁して11度目の優勝を決めたのはわずか5季前の07年1月のこと。翌年に途中棄権でシード落ちすると、過去2度の予選会はいずれも13位で敗退するなど一気に弱体化した。

 復活に向け、今季は始動を2カ月前倒しした。昨季までは予選会後に自己ベストを出す選手が続出。それまでの年間スケジュールは本戦のある1月にピークを合わせていたからだった。自由参加だった朝練習も、1回15キロ、週4回の全員参加に変え、終盤で粘れる脚力強化に取り組んできた。

 選手、指揮官として順大黄金期を支えた沢木啓祐名誉総監督(67)は「今回は運がよかった。実力ではい上がれるチームになると信じている」と激励した。まだ名門復活の第一歩を踏み出しただけにすぎない。

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