ロンドン五輪“消滅”…野村、事実上の現役引退

[ 2011年8月28日 06:00 ]

<男子60キロ級>準々決勝で敗れ、一礼する野村

 柔道男子60キロ級で五輪3連覇の実績を誇る野村忠宏(36=ミキハウス)が27日、兵庫県尼崎市で行われた全日本実業個人選手権に出場したが、準々決勝で小川武志(了徳寺学園職)に優勢負けし、ロンドン五輪出場の可能性が消滅した。野村が強化指定選手に復帰するには、この大会の優勝が必要だった。

 開始49秒で有効を奪われ、劣勢を挽回できずに終わり野村は「思い描いていた柔道ができなかったが、実力なのでしょうがない」と振り返った。実戦は9カ月ぶり。「息が上がって体が動かなかったというのはなかった」と言い訳しなかった。

 優勝を逃したことで強化指定選手を決める秋の講道館杯全日本体重別選手権には出られない。去就について「柔道とどういうふうに向き合っていくのかは、ゆっくり考える」と語った。「明日から柔道着を着ません、指導に専念しますというものでもない」とも話したが、この敗戦で第一線で活躍する場は失われ、事実上の現役引退となる。今後は不在の全日本男子の軽量級のコーチに招へいされる可能性もある。

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