1047勝の大記録残し…魁皇が引退「長かったなと思う」

[ 2011年7月19日 19:54 ]

琴欧洲に敗れ、一礼する大関魁皇

 大相撲で史上1位の通算1047勝を挙げた大関魁皇(38)=本名古賀博之、福岡県出身、友綱部屋=が名古屋場所10日目の19日、現役引退を決めた。大関在位65場所は千代大海と並んで史上1位。38歳での引退は大ノ里の39歳9カ月に次いで大関として昭和以降2番目の年長記録となる。

 魁皇は23年余りの土俵生活を振り返り「やっと終わったな、長かったなと思う。すべての人に感謝したい。魁皇としての人生は最高でした」とのコメントを発表した。20日に記者会見を開く。

 不祥事が続く角界の屋台骨を支えた関取最年長の人気大関が土俵を去ることで、横綱、大関から日本人力士がいなくなり、人気低迷に苦しむ角界には大きな痛手となりそうだ。大関以上が外国勢だけになるのは、横綱が不在で、ともに米国出身の曙と小錦が大関だった1993年初場所以来。

 腰痛など満身創痍で今場所に臨んだ魁皇は5日目に2勝目を挙げ、千代の富士を超える通算1046勝の新記録を樹立し、7日目にも白星を加えた。だが10日目は大関琴欧洲に一方的に敗れて3勝7敗となり、打ち出し後に師匠の友綱親方(元関脇魁輝)と話し合い、引退の意向を伝えた。今後は浅香山親方として友綱部屋で後進の指導に当たる。

 魁皇は曙、貴乃花、3代目若乃花とともに1988年春場所、15歳で初土俵。右上手を取っての豪快な相撲で2000年名古屋場所後に大関へ昇進した。04年秋場所で5度目の優勝を飾り、翌九州場所は12勝したが、横綱昇進は果たせなかった。

 05年以降は故障が増えて衰えが目立ち、引退の危機を何度か乗り越えてきたが、力尽きた。幕内879勝や幕内在位107場所は史上1位。優勝5回は大関以下で終わった力士では最多だった。

 ▼魁皇の話 やっと終わったな、長かったなと思う。振り返れば、いろんな人に支えられ、応援してもらった。そういう人たちがいたから、ここまでやってこれた。23年間の相撲人生は長い。簡単には振り返れないけど、全ての人に感謝したい。言葉にできないほど、感謝でいっぱい。魁皇としての人生は最高でした。

 ▼魁皇の師匠、友綱親方(元関脇魁輝)の話 本人からの意向で、引退と聞きました。よくやってくれたということだけです。(魁皇には)よくやって、頑張ってきたという言葉で(ねぎらった)。(引退の時期は)私としては、いつ来てもよかった。詳しいことは、明日(20日)、記者会見させていただきます。

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