遼くん 橋でつまづいた…リズム崩し5オーバー

[ 2011年6月20日 06:00 ]

全米オープン第3日、17番、第一打を右ラフに打ち込み、ショット直後にうつむく石川遼

USPGAツアー第111回全米オープン第3日

(6月18日 米メリーランド州ベセスダ コングレッショナルカントリークラブ=7574ヤード、パー71)
 石川遼(19=パナソニック)が課題の3日目で崩れた。33位から出て、2バーディー、5ボギーの74とスコアを落とし、通算5オーバーの48位に後退。橋の上にボールが乗るトラブルがあった9番からリズムが狂った。同じく74で回った久保谷健一(39=フリー)は通算7オーバーの57位。首位のロリー・マキロイ(22=英国)は2位に8打差の通算14アンダー、199とスコアを伸ばし、メジャー初制覇に王手をかけた。

 ムービングデーに石川が沈んだ。72人中、アンダーパーは26人。手も足も出ない設定ではなかっただけに、「3日目にスコアを伸ばす選手がいる中で落とした。バーディーを取れなくても、パーセーブをできないとダメ。順位が下がったのは自分への罰」と唇をかんだ。

 序盤はしぶとくパーを拾っていたが、雲行きが怪しくなったのは1バーディーで迎えた9番パー5。今大会最長のパー5。第3日は表示(636ヤード)より72ヤード短い564ヤードだった。石川の第2打は残り230ヤード。フェアウエーから3Iで2オンを狙ったが、「左足下がりからのドローはロングアイアンでは難しい」とミスし、左の林方向へ大きく曲げた。

 9番は残り90ヤード地点からグリーン手前まで谷になっており、その谷を渡るために幅2メートル、高さ6メートル、長さ30メートルほどの橋が架けられている。木の葉で勢いを失ったボールが落ちたのは、その橋の上。競技委員の指示を受け、橋の下からドロップしてプレーを再開したものの、グリーン奥に外してボギーを叩いた。

 想定外のトラブルでリズムが狂い始める。10、15番で3パットのボギーを叩くと、17番は2メートルのパーパットを外し、最終18番パー4はバンカーからの第3打を寄せきれなかった。終盤にズルズルとボギーを重ね、通算5オーバーまで後退した。

 第3日のチャージは課題だった。昨年の全米オープンは75と崩れ、今年のマスターズでも73の消極的なゴルフをした。この日は「攻めた」とピンを狙うゴルフは心がけたが、フェアウエーキープ率はわずか36%。3日間トータルでも45%(72人中68位)では、ラフの深いメジャーでチャンスにつけるのは難しかった。

 「プレーしながらじわじわ疲れがくる。凄く頭を使う中で、みんないいスイングをしている。最終日は3日目のリベンジをしたい」。体に残った疲労が、レベルアップの重要性を痛感させた。

 ≪第3日に弱い遼くん?≫石川は海外メジャーではムービングデーと呼ばれる第3日にスコアを伸ばしたことがない。昨年の全米オープンでは2位で予選を通過しながら、第3日に75、最終日に80と崩れ、最終的に33位に終わった。予選を通過した海外メジャーは今大会で5試合目だが、過去4試合では第3日はいずれも前日より順位を下げている。

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