GSリオ大会 日本勢が4階級を制する

[ 2011年6月20日 06:00 ]

男子60キロ級で優勝した山本浩史

 柔道のグランドスラム・リオデジャネイロ大会第1日は18日にリオデジャネイロで男女計7階級を行い、昨年の世界選手権を制した女子48キロ級の浅見八瑠奈(コマツ)ら日本勢が4階級を制した。女子は63キロ級の阿部香菜(三井住友海上)、男子は60キロ級の山本浩史(日体大)と73キロ級の中矢力(東海大)が優勝した。男子66キロ級の海老沼匡(明大)と同60キロ級の平岡拓晃(了徳寺学園職)は、ともに準決勝で敗退。同73キロ級の秋本啓之(了徳寺学園職)は準々決勝で敗れた。

 ≪中矢「しつこい寝技で」V≫男子73キロ級を制した中矢は「しつこい寝技でワンチャンスを生かすのが自分の持ち味。それがうまくいった。結果が出て良かった」と喜んだ。5月のモスクワ大会は発熱で欠場。今月上旬に両足の付け根に腫瘍ができて出場が危ぶまれる中での勝利だった。8月の世界選手権には、今大会は準々決勝で判定負けした前回王者の秋本とともに出場する。21歳の中矢は「勝てるよう頑張りたい」と、胸を借りるつもりだ。

 ≪山本「最初から優勝するつもり」≫切れ味鋭いお手本のような内股の一本勝ちで優勝を決めると、男子60キロ級の山本から笑みがこぼれ、両手で小さくガッツポーズした。21歳ながら落ち着いた試合ぶりで「世界ランキング1位と2位が出なかったので、最初から優勝するつもりだった」と話した。組み手争いで苦労した準決勝以外は全て投げ技で豪快な一本勝ち。「組み手をもっと早くしないといけない」と新たな課題も見つかった。

 ≪阿部 浸水でメダルかなり失うも“補充”≫東日本大震災で宮城県石巻市の実家が津波被害を受けた女子63キロ級の阿部。気持ちを切り替えてつらい練習を乗り越えた成果が、海外でのタイトルにつながった。4試合中3試合が得意の内股での一本勝ち。決勝は攻めあぐねたが、残り約1分で体落としで有効を取り、逃げ切った。「一生懸命練習してきた技が出た。勝てて本当に良かった」と喜んだ。実家の浸水で幼いころから獲得してきたメダルのかなりを失ったが、今回1つ増やすことができた。「外国人選手は組み手が難しい」。次のメダル獲得に向け、日本に課題を持ち帰る。

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2011年6月20日のニュース