“女王”の教えで初代王者だ!遼に「樋口久子3カ条」

[ 2011年5月19日 06:00 ]

石川が見つめる中、バーディーパットを決める樋口LPGA前会長

 石川遼(19=パナソニック)が日本女子ゴルフ界の“女王”から心技体を学び取った。とおとうみ浜松オープンは19日に静岡・グランディ浜名湖GCで開幕する。18日にはプロアマ戦が行われ、石川は日本女子プロゴルフ協会(LPGA)相談役の樋口久子(65)と初めて一緒にラウンドした。往年の名選手から刺激を受けて、新規トーナメントで初代王者を目指す。

 石川が文字通り脱帽して頭を下げた。プロアマ戦はチーム対抗戦。最初に打つプロは後続のゲストのプレッシャーを軽減するのが本来の役目だ。しかし、5番パー3で石川は池ポチャ。代わって打った樋口のティーショットがきっちりグリーンをとらえた。

 ミスを帳消しにしてもらったことに対する感謝のお辞儀に、見守ったギャラリーからは思わず笑い声が起こった。「樋口さんはダウンスイングのスピードが凄く速くて、インパクトも強かった。失礼ですけど、想像していたより飛距離も出てびっくりした」。ツアー通算72勝を挙げ、77年の全米女子プロで日本人唯一のメジャー制覇。その往年の輝きが随所に見られた。

 大きく左右に体重移動してもブレない2軸スイングもその一つ。「右足から左足に体重を乗せるタイミングの合わせ方は経験と練習量のたまもの。僕も2軸スイングなので参考になる」と百戦錬磨の技にうなった。

 樋口からは「私は今まで一度もケガをしたことがない。遼ちゃんも今のうちから気をつけて」と体をいたわる重要性を説かれ、「いいスイングを身につけることでケガもしにくくなるのかも」と考えさせられたという。

 そして、もっとも勉強になったのはもてなしの心だ。LPGAで14年にわたって会長職を務めた樋口は、この日のプロアマ戦でも率先してアマチュアのラインを読み、スイングのアドバイスをしていた。これまでの石川は「あまり言っても(アマチュアが)分からなくなる」と遠慮していたが、「お客さんも何も言わないよりその方がうれしいみたい」と考えをあらためて早速積極的にアドバイスを送り始めた。

 密度の濃い18ホール。石川にとって心技体の全てにおいて得るものがある貴重な時間となった。

続きを表示

2011年5月19日のニュース