真央ぼう然…世界選手権自己ワーストSP7位

[ 2011年4月30日 06:00 ]

女子SPで演技する浅田真央

フィギュアスケート世界選手権第5日

(4月29日 ロシア・モスクワ)
 女子ショートプログラム(SP)で、日本勢初の連覇を狙う浅田真央(20=中京大)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に失敗し、58・66点の7位と苦しいスタートとなった。1年ぶりの実戦復帰となったバンクーバー五輪金メダリストのキム・ヨナ(20=韓国)は65・91点で首位に立った。安藤美姫(23=トヨタ自動車)は65・58点で僅差の2位につけ、初出場の村上佳菜子(16=中京大中京高)は10位だった。30日にフリーが行われる。

 「キス&クライ」でぼう然と電光掲示版の得点を見つめた。75・84点の自己ベストに大きく劣る58・66点。表情がこわばったまま取材エリアに現れた浅田は「結果は結果で受け止めている」と静かに語った。

 最大の武器であるトリプルアクセルに失敗した。両足で着氷してしまい、2回転半と判定された。午前中の練習で2度転倒するなど一度も完璧に決められず、佐藤コーチに2回転半への変更を勧められていた。それでも「不安はなかったわけではない。本番で思い切って跳べばいい」と賭けに出たが、不発に終わった。その後の3回転―2回転の連続ジャンプも回転不足とみなされ、技術点は全体で13番目と低迷した。

 前夜は佐藤コーチや関係者が小塚のメダル獲得祝いの夕食会を行ったが、浅田は参加せずにSPに神経を集中させてきた。2月の四大陸選手権で替えたばかりの衣装も再変更。前面に赤い「Vの字」を描いたような黒のコスチュームで滑ったが、世界選手権では自己ワーストの7位発進となってしまった。

 1年ぶりの対戦となったキム・ヨナには7・25点の大差をつけられ、日本勢初の2連覇は極めて厳しい状況。「気持ちはもう切り替わっている。フリーでもトリプルアクセルは跳ぶ予定。フリーの方が自信があるので、頑張りたい」。自らに言い聞かせるように前を向いた浅田。簡単に連覇を諦めるわけにはいかない。

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