八百長問題 師匠らに解雇などの厳罰要求も

[ 2011年3月24日 06:00 ]

<特別調査委員会 会合>神妙な表情で会合の席に着く伊藤滋座長(左)と放駒理事長

 大相撲の八百長問題を審議する「特別調査委員会」(伊藤滋座長)が23日、東京・両国国技館で会合を開き、携帯電話のメールなどで八百長関与の疑惑をかけられている十両・千代白鵬や竹縄親方(元幕内・春日錦)らの処分などについて話し合った。関与者の師匠らに解雇を含めた厳罰を求める声も上がり、協会上層部も責任を問われる可能性がある。調査委は25日、再び会合を開く予定だ。

 通算7度目となる調査委の会合では、疑惑力士らの師匠の処分について過激な意見が飛び交った。相撲協会の根本規則である寄付行為では、故意による無気力相撲で懲罰を受けた力士の師匠は、連帯して責任を負うものとすると定められている。このため、一部の委員が解雇などの厳罰を求めるなど、師匠の監督責任を問う声が続出した。

 伊藤座長も「力士と親方の処分は同時並行と考えるべき」と話した。今後、師匠を対象とした聞き取り調査が行われる可能性が出てきた。さらに山本浩委員は協会上層部の責任問題について「(一般論として)当然、そこにもいくでしょう」と言及。理事会メンバーにも厳しい“決断”が求められることになりそうだ。

 会合は3時間に及んだが、調査の行き詰まりと物証不足で結論は持ち越された。伊藤座長も「調査も議論も行ったり来たりで混沌(こんとん)としている」と渋い表情を浮かべた。

 調査委は、聴取の中で正直に告白した者は処分を軽減する方針を打ち出している。これまでに十両・千代白鵬、竹縄親方、幕下・恵那司の3人が関与を認めている。それ以外に関与を認めた者がいたかどうかについて、伊藤座長は「分からないとしか言えない」と言葉を濁し、吉野準委員も「言えない」と意味深な発言をしており、携帯電話のメールに記載された力士ら14人の他に数人が関与を認定される可能性がありそうだ。

 調査委は25日の会合で処分案をまとめることを目指している。今後も聞き取り調査や携帯電話の解析などは継続するが、伊藤座長は「われわれは場所のことは全く気にしていない」と夏場所開催を前提にしていないことを強調した。

 ▼放駒理事長(元大関・魁傑) (次回の理事会の開催は)まだ分からない。調査委員会が終わるかどうかも分からないんだから。(師匠への調査については)調査委員会の話だから分からない。

 ▼山本浩委員 これで裁判になったらどうなんだろう、というところ。確定的な証拠がない。だから状況は変わっていない。処分の話も、結論めいたところには向かわなかった。

 ▼吉野準委員 夏場所が頭にあるわけではないが、いつまでも調査をやっているわけにもいかない。皆さん(報道陣)もイライラしてきているし、われわれも焦ってくる。

 ▼村上泰委員 材料は出尽くした。(処分案は)だいたいは決まってきた。(次回が)最後になるだろう。(関与を)認めている人、認めていない人で(処分は)色分けできる。(認めた人は)軽くはなると思う。

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2011年3月24日のニュース