被災地出身の力士たち「母ちゃんに会いたい」

[ 2011年3月14日 18:39 ]

 東日本大震災の被災地に親族がいる力士たちは14日、遠く離れた東京で不安な思いを吐露した。

 宮城県名取市出身の三段目加美豊(24)=時津風部屋=は、姉夫婦と暮らす母・視代さんと2日前に連絡が取れたが、携帯電話はすぐに切れた。13日に母の勤務先から「家に帰ったようだ」との連絡を受けた。「家は山の方だから津波の影響はないと思うけど心配で…。歩いてでも宮城に帰りたい。母ちゃんに会いたい」と朝稽古後に声を振り絞った。

 町半分が津波に襲われた可能性がある宮城県亘理町に実家があるのは、24歳の双子で三段目の藤の海と藤の花(ともに出羽海部屋)。山沿いの家は無事だったが、電気やガス、水道は止まったままだという。兄の藤の海さんは「親が無事と聞いても、一目見て確かめたい。ボランティア活動で地元の力になりたい」と訴えた。

 横綱白鵬関の付け人で序二段の大和田(27)=宮城野部屋=は埼玉県出身だが、祖母ら5人が岩手県陸前高田市に在住。「まだ連絡が取れない。(祖母の家の)目印となるものがなくなっている」と語った。

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2011年3月14日のニュース