ギャルファーから正統派へ変身…キンクミ7位

[ 2011年3月7日 06:00 ]

18番でティーショットを放つ金田久美子

ダイキン・オーキッド・レディース最終日

(3月6日 琉球ゴルフ倶楽部=6439ヤード、パー72)
 金田久美子(21=レプロエンタテインメント)が7位フィニッシュで新シーズンの好スタートを切った。7バーディー、1ボギーで最終日のベストスコアとなる66をマーク。通算5アンダー、211でプロ転向後、ツアー3度目のトップ10入りを果たした。同じく66で回った朴仁妃(パク・インビ)(22=韓国)が通算11アンダーまで伸ばして開幕戦勝利を飾った。
【最終R成績】

 強い風にも細身の体が揺らぐことはなかった。インから出た金田は10番で4メートルを沈めてバーディー発進。その後もパットがさえ、終盤の8番では6メートルをねじ込んだ。ショット、アプローチも安定感があり、気がつけば優勝した朴仁妃と同じ66。プロ転向後の自己ベストとなる好スコアを出してのトップ10に「プロになって一番いいゴルフ。久しぶりに楽しいなと思った」とキンクミスマイルをはじけさせた。

 外見にこだわっていた“ギャルファー”から心身ともに正統派のプロゴルファーへと変身した。アマチュア時代は12歳298日でツアー史上最年少予選通過を果たし、ベスト10も7度。天才少女ともてはやされたが、プロの厚い壁にゴルフ人生で初めての挫折を味わった。体力不足から1年目の09年に賞金シードを逃すと、予選会でも出場権を得られず、昨年は8試合のみの出場に終わった。

 09年のオフから石川遼も担当する仲田健トレーナーについて、嫌いだった筋力トレーニングを開始した。46キロだった体重は53キロにアップ。ラウンド前は必ず30分間のストレッチを行い、寝る前にはシャワーだけだったのを「疲れを取るために」風呂につかるように心がけた。体力も体のケアも「2年前とは違う」。昨年の予選会で今季の出場権を獲得すると、未完の大器は開幕戦で上々のスタートを切った。

 昨年同様に韓国勢が上位を占める中、小林浩美新会長は「新しい選手だって出てきている。金田さんはベストスコアを出したし、日本ツアーの選手が(外国勢に)大きく離されているわけじゃない」と期待の一人に指名した。金田は「3日間ともゴルフ的にはいい感じで回れて自信になった。このまま一年を戦いたい」と力強く語った。プロ意識に目覚めた元“天才”が、努力で培った実力を発揮。悲願の初勝利も視界に入ってきた。

 ◆金田久美子(かねだ・くみこ)1989年(平元)8月14日、愛知県名古屋市生まれの21歳。世界ジュニアでは98年に8歳で10歳以下の部で優勝するなど各年代で5度制覇。02年のリゾートトラスト・レディースでは12歳298日の日本ツアー最年少予選通過を果たした。09年にプロデビューしたが賞金ランク54位でシード落ち。昨年は8試合の出場で賞金ランク88位。1メートル66、53キロ。血液型A。

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