馳議員 八百長疑惑で放駒理事長を参考人招致も

[ 2011年2月5日 06:00 ]

 大相撲の八百長問題で、衆院文部科学委員会理事を務める自民党の馳浩議員が4日、文部科学省が所管する日本相撲協会の放駒理事長(元大関・魁傑)の参考人招致を求める考えを示した。野党からは政府の対応に批判の声が上がる一方、閣僚からも徹底的な調査を求める発言が相次ぐなど政府・与党も厳しい姿勢を見せており、招致が実現する可能性が高そうだ。

 馳氏は国会内で本紙の取材に応じ、放駒理事長の参考人招致について「もちろん、参考人としてぜひ来ていただきたい」とキッパリ。委員会質問では、判明している事実以外の八百長疑惑があるかどうかに関して「相撲協会と文科省に説明を求める」とし、「文科省からの情報の事実確認をして、厳罰を求めていく」と強い口調で話した。

 衆院によると、委員会で質問者から参考人招致などの要求があった場合、委員長が理事会での協議を指示。委員長が理事会協議として取り上げなかった場合でも、質問者と同じ会派の理事が協議を呼び掛けることができる。与野党で合意が得られれば委員会で決議される。同委員会は与党が多数を占めるが、協会に対する国民の視線は厳しく、支持率低下にあえぐ与党としても反対しづらい状況。今後、理事長招致は現実味を帯びてきそうだ。

 参院文教科学委員会の委員で相撲ファンという自民党の義家弘介議員も「与野党を超えて国技の今後について合意形成しないといけない」と指摘。政府・与党の対応について、「“相撲協会の報告を待つ”というスタンスで、国技が消えるかもしれないという危機感がない。文科省は認可した責任があり、政治主導というなら相撲協会に駆けつけて徹底的に状況を把握すべき」と攻撃した。

 同じく参院文教科学委員会の委員で、民主党スポーツ議連会長でもある五輪女子柔道金メダリストの谷亮子議員も「スポーツで八百長がないのは当然で、こうした状況は好ましくない。改善に向けて真剣に取り組みたい」と話した。

 参院の同委員会は与野党の勢力がほぼ拮抗(きっこう)しており、衆参各委員会で理事長招致という事態にまで発展する可能性もありそうだ。

続きを表示

2011年2月5日のニュース