白鵬 群を抜く安定感…琴奨、稀勢の両関脇も奮闘

[ 2011年1月23日 18:08 ]

大相撲初場所千秋楽

(1月23日 東京・両国国技館)
 白鵬は1敗はしたが、全体的な安定感は群を抜いていた。前半から積極的に前へ出る攻撃的な取り口が目立った。10日目に琴奨菊を退けた一番は厳しい立ち合い、押していく力とも圧巻だった。

 その翌日は先場所63連勝で止められた稀勢の里を相手に硬くなり、不覚を取った。すると12日目以降の大関戦では無理をせず、相手の様子を見て攻める取り口に変わった。優勝を決めた14日目は把瑠都をしっかりつかまえ、鮮やかな右すくい投げで仕留めた。

 大関陣は今場所も期待外れ。把瑠都、琴欧洲は終盤戦にもろさを露呈して白鵬を脅かせなかった。魁皇は満身創痍、かど番の日馬富士は右足首のけがの影響で、勝ち越すのがやっとだった。

 対照的に、関脇は奮闘した。特に西の琴奨菊は立ち合いの鋭さが増し、左を差してからの力強いがぶり寄りで11勝。大関候補の1番手に躍り出たと言える。稀勢の里は前に出る馬力を生かし、今場所も白鵬を破る殊勲。2場所連続で10勝を挙げたが、10日目の魁皇戦などあっけない黒星もあり、課題を残した。

 平幕の隠岐の海は、長身を生かして右四つからまわしを引く攻めで波に乗り、5日目から9連勝し優勝争いに絡んだ。豪栄道も、前まわしをつかんでのしぶとい取り口で11勝。若手日本人力士の今後に楽しみが膨らんだ場所だった。

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2011年1月23日のニュース