踏みとどまった把瑠都 優勝争いへ期待と不安

[ 2011年1月17日 20:00 ]

大相撲初場所9日目


両国国技館)
 何とか踏みとどまった。白鵬に対抗する1番手の把瑠都が、日馬富士との大関対決を制し、2日目から8連勝で給金を直した。

 「中に入られたくなかった」。立ち合いから相手をよく見て突っ張ったが、下から攻める日馬富士の逆襲に遭い、土俵際で腰が大きく落ちた。右足を徳俵にかけて踏ん張ると、再び突き起こして激しく押し倒し「危ねー。ひざが入った。最後まで突き放したかった」。冷や汗ものの勝利だった。

 全勝の横綱を星一つの差で追う存在ではあるが、優勝争いに向けて期待と不安が入り交じる。把瑠都と同じ大型大関として活躍した音羽山親方(元貴ノ浪)は「雑に見える。後半戦での取組に期待を感じたくなる相撲を取らないと」と評すように、ここまでの取り口に安定感はあまりない。

 一方、土俵下で審判長を務めた中村親方(元関脇富士桜)は「ああいう危ない相撲を勝つと乗ってくる。白鵬も盤石じゃないし、面白くなってくる」と期待を込める。

 大関自身は、初優勝に向けての意識は「全然今のところない。まだ長いから」とそっけない。しかし、1敗を堅持して「このまま行きたいね」。星を伸ばせば、自然と賜杯への意欲も出るだろう。

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2011年1月17日のニュース