慶大新監督は日本ラグビー開祖のひ孫 OB田中真一氏

[ 2011年1月16日 06:00 ]

 慶大ラグビー部の新監督にOBで元神戸製鋼SHの田中真一氏(44)が就任することが15日、明らかになった。この日行われたOB会総会で、今季限りで退任する林雅人前監督(48)の後任に決定。18日に正式発表される。田中氏は慶応高を3年間率い、今季はチームを9季ぶりに花園出場に導いた熱血漢。来季は99年度以来12季ぶりの大学日本一を目指す。

 慶大ラグビー部のOB会「黒黄会」は、5日に退任を正式表明した林前監督の後継として田中氏に白羽の矢を立てた。フルタイムで指導に当たる田中氏は周囲に「ルーツ校の誇りとして魂のラグビーを披露したい」と早くも意欲を見せている。

 田中氏は慶応高―慶大―神戸製鋼のSHとしてプレー。08年度に慶応高の監督に就任すると、猛練習で選手を鍛えた。「全ての練習は選手主体。選手自らが考え行動する」をモットーに今季は母校を9季ぶりに花園出場に導いた。

 曽祖父は日本にラグビーを伝え、日本ラグビー協会初代会長を務めた田中銀之助氏。銀之助氏は横浜のパブリック・スクールで、英国人のエドワード・B・クラーク氏と出会い、1899年に2人で慶応義塾の塾生にラグビーのルールについて指導したとされる。田中氏は脈々と引き継がれるひたむきで魂を揺さぶる慶大ラグビー部のDNAを大事にし、18日に所信表明を行うことになっている。

 慶大は林前監督が今季まで2期4年間チームを率い、大学選手権準優勝1回、4強1回の好成績を残した。今季は対抗戦で2位。大学選手権は2回戦で優勝した帝京大に7―38で敗退。来季はCTB竹本主将ら主力が抜けるが、ロック栗原やWTB児玉ら好選手も残る。

 田中新監督の参謀役にOBで元日本代表フランカー野沢武史氏(31)のコーチ就任も決まった。神戸製鋼の先輩後輩の間柄でもある2人は今季は慶応高でも監督とコーチのコンビを組んで実績十分。魂のラグビーで12季ぶり制覇を狙う。

 ◇田中 真一(たなか・しんいち)1966年(昭41)9月14日、神奈川県生まれの44歳。現役時代のポジションはSH。慶応高―慶大でプレーし、卒業後は神戸製鋼に入社。退社後は政治家を目指していた時期もあった。08年に慶応高の監督に就任し、今季は9季ぶりに花園出場に導いた。血液型B。

続きを表示

2011年1月16日のニュース