琴光喜への恐喝容疑 元幕下力士に逮捕状

[ 2010年6月23日 11:09 ]

 大相撲の野球賭博問題で、警視庁は23日までに、大関琴光喜から賭博の口止め料名目で約350万円を脅し取った疑いが強まったとして、恐喝の疑いで元力士の古市満朝容疑者(38)の逮捕状を取った。所在が確認でき次第、逮捕する。

 古市容疑者は、野球賭博に関与していた阿武松部屋の現役力士の兄で、元幕下力士。今月、大阪府の実家に電話し「恐喝はしていない。心配はいらない」と親族に話したという。

 警視庁は、賭博への関与を認めている力士や親方らの事情聴取をほぼ終え、琴光喜から被害届の提出も受けている。恐喝事件を契機に、暴力団との深いつながりが指摘される角界の野球賭博の全容解明を目指す。

 警視庁は、琴光喜については野球賭博の常習性が高かった可能性があるとみており、関与の度合いを見極め、書類送検など立件の可否を判断する。

 捜査関係者によると、古市容疑者は昨年12月、琴光喜側が野球賭博の「勝ち金」500万円の支払いを阿武松部屋に所属する現役力士に求めた際、口止め料として約350万円を琴光喜関から脅し取り、その後約1億円を要求した疑いが持たれている。

 口止め料支払いを要求された交渉は、大阪場所中の今年3月。琴光喜から事前に相談を受けた大嶽親方(元関脇貴闘力)が同席。一緒に車で現場に向かった時津風親方(元幕内時津海)は交渉の場には同席せず、佐渡ケ嶽部屋の「呼び出し」と2人で車で待機していたとされる。琴光喜は、ほかに佐ノ山親方(元大関千代大海)にも相談していたという。

 琴光喜は、数年前から、胴元との仲介役だった阿武松部屋の床山(29)を通じて野球賭博をしていた。日常的に高額な賭け金で賭博を繰り返したとみられ、数千万円の「負け金」を抱えていたという。

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2010年6月23日のニュース