ゆかりの各地にも惜しむ声「こんな形の引退、残念」

[ 2010年2月4日 20:23 ]

 横綱朝青龍関が相撲人生に自ら幕を下ろした4日、朝青龍関や相撲にゆかりのある各地の関係者からは、不祥事による突然の引退を惜しむ声が相次いだ。

 北海道福島町にある「横綱千代の山・千代の富士記念館」。館長を務める村田駿町長は「千代の富士の歴代優勝回数(31回)を今後塗り替えるのではという不安と期待を持っていたが、このような形での引退は残念だ」と語った。「朝青龍には心技体の『心』が欠けていた」と指摘する一方で「若くして横綱になり、指導者らの苦言が足りなかったかもしれない」と周囲の責任も指摘した。
 高見盛関や岩木山関を輩出した弘前実業高(青森県弘前市)の小野司相撲部監督(42)は、東京・両国国技館で朝青龍関に写真を撮らせてもらおうと頼んだ際の思い出を振り返った。「『浴衣姿よりも綱を締めた姿の方が良いから』と、後でもう一度呼んでくれた。気配りする人だった」
 名古屋場所で高砂部屋が宿舎とする「龍照院」(愛知県蟹江町)の住職の妻武田多住子さん(61)は「頑張っている姿を見てきただけに残念でならない。親思いの優しい人なのに…」と引退を信じられない様子。
 朝青龍関が来店した名古屋市のモンゴル料理店の男性店員は「本人の責任もあるかもしれないが、マスコミが(騒動を)あおり過ぎた面もあるのでは」とも。九州場所で高砂部屋が宿舎としている福岡市中央区の成道寺の佐藤隆昭住職(67)は「孫を抱っこしてかわいがってくれた。朗らかで気さくな人。潔いと思うが寂しい」と惜しんだ。

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2010年2月4日のニュース