正真正銘「無記名投票」が“造反劇”生んだ

[ 2010年2月2日 06:00 ]

<相撲協会理事選挙>立会人(右端)から約10メートルの距離で背中を向けながら投票するシステムになった

 【相撲協会理事選挙】新投票システムの導入が前代未聞の造反劇を後押しする結果となった。選挙管理委員長の大山親方(元幕内・大飛)が欠陥のあった従来の投票システムを大改革。正真正銘の「無記名投票」を実現させた。

 従来は各一門を代表した立会人(5人)が投票箱の目の前で記入漏れなどをチェックしており、厳密な意味での「無記名投票」となっていない側面もあった。だが、貴乃花親方の出馬で世間一般の関心が高まったこと、また、日本相撲協会の監督官庁である文科省から公正な選挙の実施を指導されたこともあり、投票方法の変更に踏み切った。
 今回は投票箱と立会人の間に約10メートルの間隔を空けたことに加え、投票箱の両隣に記載所を設けることで記入直後に誰にも見られることなく投票できるようになった。また、筆跡鑑定などで造反者の特定ができないように、「候補者」の名前を書き込む従来の方式から、既に書かれた立候補者の名前に「○」をつけ、2つ折りにして投票する方式に変更した。
 開票は立会人が入念にチェックした後、日本相撲協会の事務員が5度チェックする徹底ぶり。当日まで新システムを誰にも教えない“秘密主義”を貫いた大山親方は理事選後「トラブルなく無事終了した。これが普通。当たり前のやり方」と大役を務めきり、安どの表情を浮かべていた。

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2010年2月2日のニュース