さくら 5位後退も「30%」に懸ける!

[ 2009年11月29日 06:00 ]

<LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ・3日目>10番、アプローチショットを放つ横峯さくら

 女子ゴルフツアーのLPGAツアー選手権リコーカップ第3日は28日、宮崎県宮崎市の宮崎カントリークラブ(6508ヤード、パー72)で行われ、賞金ランク2位の横峯さくら(23=エプソン)が窮地に立たされた。ランク1位の諸見里しのぶ(23=ダイキン工業)との同組で73とスコアを落とし、通算3アンダーの5位に後退。通算4アンダーの3位に浮上した諸見里に抜かれ、今季最終戦最終日に逆転賞金女王を懸けることになった。飯島茜(26=TOTO)がコースレコードタイの65をマークし、通算8アンダーで首位に躍り出た。

 これはピンチであり、チャンスでもある。優勝すれば文句なしの逆転女王だが、一人突き抜けた首位の飯島とは5打差ある。2位以下でも諸見里の順位次第でチャンスは残るが、この日のラウンドでライバルには追い抜かれた。自らの置かれた状況を判断して横峯が出した結論は「可能性は30%ぐらい」。その数字が高いか、低いか。あとは横峯自身の問題だ。
 初日に続いての諸見里との同組対決は苦しい展開になった。乱れるショットに強い風、芝目の強い高麗グリーンにも手を焼いた。4番で先にボギーを叩いた諸見里に付き合う形でボギーを打つと、5番パー3に大きな落とし穴が待っていた。
 5番アイアンでのティーショットが狙いよりも大きくスライスし、グリーン右手前のバンカーのアゴに突き刺さった。2打目は脱出するのがやっとで3オン2パットのダブルボギー。「気持ち的にはけっこう落ちましたね。それがゴルフと分かってるけど、何でこの日に…みたいな」と“目玉”になった不運な一打を嘆いた。
 それでも、8番パー3でグリーン左からチップインバーディー。9番パー5でもティーショットを林に入れながら、木の根元からのナイスリカバリーでパーを死守した。気落ちしていた自分自身を鼓舞するようなプレーでリズムを立て直し、逆転女王の可能性を残す位置には踏みとどまった。
 会場には家族や地元の友人たちが多数訪れた。スタートホールや9番には「頑張れ、さくらちゃん」とゴルフ場では珍しい横断幕がロープサイドに掲げられた。温かい地元・宮崎の声援を背に挑む最終日。「ここは最終戦だし、いろいろなドラマがあると思う。そこに自分が入れるように」。9カ月間続いたツアーのフィナーレ。横峯は「30%」の可能性を信じている。

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2009年11月29日のニュース