白鵬時代だ!年間最多記録更新85勝でV

[ 2009年11月29日 06:00 ]

<大相撲九州場所・14日目>年間最多勝の85勝を決め、カメラマンからの祝いのケーキを手に笑顔の白鵬

 白鵬時代の到来だ。大相撲九州場所14日目は28日、福岡国際センターで行われ、横綱・白鵬が琴光喜を上手投げで下し、無傷の14連勝で05年に朝青龍がマークした年間最多勝記録を更新する85勝を挙げ、12度目の賜杯を手にした。優勝回数は尊敬する昭和の大横綱・双葉山と武蔵丸に並ぶ史上7位となった。千秋楽の一番で自身4度目となる全勝Vを懸け朝青龍と対戦する。

 立ち合い、白鵬は右を差したが、上手が取れないまま琴光喜と組み合う。しかし、焦りは感じていなかった。相手の出方をじっくり見ながら上手を切り、強烈にまわしを引きつけ最後は左上手で豪快な投げ。1分37秒4の長い勝負を制し、土俵で額から大粒の汗を滴らせ大きく息をついた。
 尊敬する双葉山と武蔵丸に並ぶ12度目の賜杯。「今年に入ってからの目標だった。(大分生まれの双葉山の地元)九州で並ぶことができてうれしい」と満面に笑みを浮かべた。
 大きな“勲章”も手にした。モンゴルの先輩横綱が05年に記録した年間最多勝記録をついに更新。「本当にうれしい。日々努力したことが良かった。今場所は寄ったり、投げたり、自分の相撲を取り切った。まあ安定感抜群、かな?」と満足げに振り返った。役員室でテレビ観戦した武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)も「(超える人は)出てこないんじゃないの」と脱帽するばかりの充実の土俵だった。
 地道な努力が結果に結びついた。朝晩の気温が10度前後と冷え込む太宰府天満宮付近の宿舎での朝稽古を控え、取組前の支度部屋でしこ、テッポウで汗を流しケガを予防。さらに名古屋場所で痛めた左ひじのケアも怠らなかった。負荷のかかる可動域まで、ひじが伸びないようテーピングを施しその上からサポーターをまく徹底ぶり。初日の稀勢の里で背筋を痛めたが、即座に執行(しぎょう)稔トレーナーにハリ治療を依頼。「今の私がいるのは先生のおかげです」と全幅の信頼を置くスタッフの存在も支えになった。
 きょう千秋楽の一番では自身4度目となる全勝優勝を懸け朝青龍と対戦する。「まだあしたがあるから。今場所は終わっていない。まずはあす勝って終わりたい」。09年の場所もあと残すところ1日。昭和の大横綱に並び、モンゴルの先輩横綱の記録を超えても白鵬に浮かれたところは全くなかった。

 <琴光喜 全力出した>琴光喜は右四つがっぷりの体勢から、最後は白鵬の上手投げに屈した。得意の右四つに持ち込んだものの「相四つだから、こっちがいい体勢は、向こうもいい体勢だからね」と自ちょう気味に話した。勝負は1分37秒4の大相撲。「できるだけのことをした。握力がなくなった。あきらめがつく」と脱帽。また、白鵬について「前から強かったけど今は慌てなくなった。体勢が悪いと出てこないから」と精神面の成長を認めていた。

続きを表示

2009年11月29日のニュース