気遣い愛ちゃん 熱愛騒動“第一声”は謝罪

[ 2008年12月3日 06:00 ]

恋愛騒動以来初めて帰国した福原愛は報道陣の前で深々と頭を下げる

 卓球の欧州プロツアーに参戦していた福原愛(20=ANA)が2日、成田着の全日空便で帰国し、テニスの錦織圭(18=ソニー)との熱愛報道後、初めて公の場に姿を現した。ビッグカップルの誕生は日本だけでなく中国でも話題をさらったが、福原はなぜか終始、表情をこわばらせたまま謝罪。そのけなげな姿がまた、さらなる好感を呼びそうだ。

【Go!アスリート福原愛】

 福原は航空機を降りると、覚悟を決めたように険しい表情で到着ゲートに登場した。いつもの人なつっこい笑顔はない。試合中に見せる、集中した表情とも違う。今まで見せたこともないこわばった表情で、待ち構えた約50人の報道陣から無数のフラッシュを浴びた。

 ワイドショーのリポーターからは「今、幸せですか」「順調ですか」と矢継ぎ早に質問が飛んだが、一切答えず、所属先でもある全日空の女性社員2人にガードされながら前を向いて歩いた。熱愛が発覚した有名人は、このままだんまりを決めこむところだが、福原は違った。通路が途切れ、広いスペースができたところで立ち止まって振り返ると、報道陣の方に顔を向けて口を開いた。

 「このたびはお騒がせして申し訳ございませんでした」と言って頭を下げた。そして「これからは競技で飛躍できるように、さらに頑張りたいと思います」と続け、再び一礼した。異例の謝罪だ。入国審査を終えて到着ロビーに出てきた時、さらに多くの報道陣がいることに気がつくと、またも自ら歩み寄り、再び同じ謝罪の言葉を並べた。

 当初はマネジメント事務所と全日空との話し合いで、取材には一切応じないことになっていた。航空機から降りたところで全日空の広報担当から「(報道陣から)会見の要望も出てます」と伝えられたが、会見は断った。だが「急きょ、本人が話をしたいと言ってきました」(全日空広報)と福原自ら発言の場を求めた。熱愛発覚後、国内のみならず、中国のネット上でも大きな話題になるほどの騒動に発展。あくまでもプライベートな恋愛だが、錦織の家族やテニス、卓球の関係者らにも影響を及ぼしたこともあり「気にしているところがありました」(マネジメント事務所関係者)と心を痛めていた。迷惑をかけた周囲には謝りたいとの気持ちが、異例の謝罪となって表れた。

 あの卓球少女“愛ちゃん”も、もう立派な20歳の大人だ。恋愛は自由。競技にプラスにできるようなら、さらにいい。欧州遠征に同行した日本代表女子の村上監督は「いつもの試合と変わった様子はなく、新しい技術にもチャレンジし、むしろいい試合だった」という。2試合の結果はベスト16とベスト8。競技に影響することはなかった。

 こんな周囲に気遣いのできる性格だからこそ、幼い頃から日本中で愛されてきたのだろう。来年1月には初優勝が懸かる全日本選手権、4月には横浜で開催される世界選手権が控える。卓球でも恋愛でも注目を集めることになるが、みんなが愛ちゃんを応援している。

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2008年12月3日のニュース