山川あずさの美しく生きよう
金環日食を見るのが小さい頃からの夢でした
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| 子供の頃からずっと見たかった金環日食。ついに見ることができてうれしいです。6月6日には太陽の前を金星が通過するという天体イベントもあるようなのでめがねをかけてみてみたいと思います |
みなさんは5月21日に世紀の天体ショー「金環日食」を見ましたか?
私は、あいにく四国の山あいで研修会を行っていました。滞在していた祖谷渓谷(いやけいこく)は、平家が落ち延びたといわれるほどの秘境です。四国の霊峰、剣山の麓であり深い山々に囲まれた祖谷の地形では、早朝の太陽は見ることができません。
実は私、金環日食を見るのが小さい頃からの夢でした。小学生の頃、名古屋に住んでいた私は名古屋市立科学館主催の「星の会」というクラブに入って一年間、天体についての勉強をしていました。「星の会」に入ると名古屋科学館のプラネタリウムが、フリーパスになり、いつでも見ることができたり、月に一回勉強会があっていろいろな話を聞きながら実際にそれをプラネタリウムで見ることもできるのです。
その時学んだ内容を今でもはっきりと覚えています。ギリシャ神話に出てくる勇敢な狩人オリオンの物語。月の女神アルテミスに身分違いの恋をしてしまったオリオンは結婚を申し込みます。しかし怒ったアルテミスはさそりの毒でオリオンを殺してしまいます。それを見ていた天の神は、オリオンをかわいそうに思い夏の星座として天に招きました。しかし今でもさそりを恐れ、夏になってさそり座が南の空に上がってくるころには、オリオン座は見えなくなってしまうのです。
こういったお話や夏の三角形の探し方や北極星の探し方など、今でもよく覚えているのです。空を彩っている星座の話や太陽が爆発するとどうなってしまうのか、とか宇宙に生命体はいるのかなど子供の私にとって、それはそれは興味の尽きないお話が満載で毎月楽しみにしていたのです。
その「星の会」で金環日食について知った瞬間から私の心に小さな決心が芽生えます。「絶対いつか本物の金環日食を見る!」というのが幼い私の夢になりました。沢尻エリカさんのように日食ハンターとまではいきませんが、今回は日本で見られる絶好の機会、逃すわけにはいきません。
「絶対見たい!」という私の希望もあって地元の方々に聞き込みをして、どこならその時間にも太陽が見られるか下調べをしました。車で30分ほど走ったあたりに剣山の登山口、見ノ越あたりなら見ることができるということで、早朝ドライブを決行することにしたのです。参加者の中にも見たいという人がたくさんいたので、みんなでいくことにしました。
前日20日の祖谷地方は、あいにくの雨。そして翌日21日の天気予報は、「曇り」。運を天に任せるしかありません。明日の朝起きてから、行くか行かないか検討しましょうということになり朝6時の出発に備えて、夜は早めに解散。ちょうど眠りについた頃、雨が本格的に降り始め、ざーっという音に包まれながら眠ることになりました。
朝、起きてみると微妙な天気です。私は、どんな雨でも行くつもりでした。このくらいの薄日がさしている状態で案外よく見える事は、前回東京で見えた部分日食の時に検証済みです。
緑がまぶしい朝の山の風景に見とれながら心はわくわくしています。見ノ越に到着した瞬間には、そこここにもやがかかっていて視界がほとんどない状態です。しかし、数分でもやが晴れ、薄日が差してきました。なんと、三日月みたいな太陽が肉眼でもはっきりと見ることができます。
日食めがねを持参してきたのは、数ヶ月前から虎視眈々と準備をしていた私が3つ持っていた他あと数人。完全な晴れではめがねをかけて順番に見ることしかできなかったでしょう。神の粋な心配りには驚かされるばかりです。ちょうどよいフィルターを空にかけて下さったおかげで、全員が肉眼で日食の経過を目の当たりにすることができました。しかも特殊な装置なしのデジカメでも撮影ができました。
刻々と太陽が欠けていき、ついには金の輪が出現しました。感動の瞬間です。
剣山の麓、標高1500メートルの山々の連なりの上に出た日食を仲間とともに体験できたことは私にとって忘れることのできない最高のギフトとなりました。
[ 2012年5月28日 ]
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