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【東京工科大学】地域密着型の音楽情報キュレーションPFを開発

[ 2016年4月25日 05:30 ]

 東京工科大学(東京都八王子市/学長:軽部征夫)メディア学部では、ビーコン端末(※1)などを活用した地域密着型の音楽情報キュレーションプラットフォームを開発、今月20日から八王子市内の音楽施設や音楽イベントでの試験運用を開始した。

 近年、インターネット上の情報をまとめて効率よく配信する「キュレーション」(※2)が注目されている。一方、定額型音楽配信サービスなどにおけるキュレーションは、その多くがメジャーアーティスト中心で、アマチュアなど個人の音楽活動についてはカバーされていなかった。同大学では、八王子市の街づくりに関わる研究を行ってきたことから、生活地域に密着した音楽情報や個人の音楽活動に着目し、マーケティング活用などを目的とした新しい音楽情報キュレーションサービ スの研究開発に取り組んだ。

 ビーコンとの連動機能において実績がある株式会社夢現舎(東京都八王子市)がアプリケーション開発、地域の芸術文化活動の支援などを行う八王子市学園都市文化ふれあい財団がコンテンツ提供に協力。試験運用では、コンサートホールやライブハウス、音楽教室、大学をはじめ、八王子観光協会が運営する観光案内所など、市内数十カ所(4月25日現在見込み)に「ビーコン付きポスター」を設置。これらに近づくと、スマートフォンにインストールした専用アプリが反応し、設置場所ごとに限定の音楽情報を入手することができる。また、これらのデータをもとにした消費行動分析により、他のスポットへの誘導情報なども表示する。このほかホームページより一般ユーザー自らが音楽活動を投稿したり閲覧することも可能だ。

 今後はプラットフォームから得られるデータを分析することで、個人の音楽活動や地域の音楽イベントといった、音楽マーケティングに活用する。また、ユーザーが興味を持ちそうな周辺地域の飲食店やイベントなど音楽以外の消費行動に誘導したり、災害時の避難所などを表示し平時から災害時の行動をイメージするのに役立てるなど、街づくりへの活用も期待される。将来的には、デジタルサイネージとの連動や人工知能によるキュレーション機能の開発にもつなげていく。

※1 ビーコン:近距離無線通信技術を利用した機能を持つ小型デバイスで、機器から発する電波で形成されたゾーンの中にスマートフォンなど対応電子機器が入ることで電波を受信し、アプリによりさまざまなアクションを起こすことができる。

※2 キュレーション:専門知識を持ち展示会などを企画する職業(キュレーター)から派生し、最近では「まとめサイト」のようにインターネット上の特定の情報を収集・選別し一般に分かりやすく共有するサービスにも使われる。

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