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【芝浦工業大学】アメフラシの脳神経伝達活動モニタリングで新手法

[ 2015年9月4日 05:30 ]

脳に大きな神経細胞をもつアメフラシ
Photo By 提供写真

 芝浦工業大学(東京都江東区/学長:村上雅人)に所属する応用化学科の吉見靖男教授は、脳神経の動きをモニタリングする新たな手法を開発。アメフラシ(軟体動物)の脳神経の伝達活動を一度に可視化することに成功した。

 人は口や目など感覚器官で得た情報を、千数百億におよぶ脳の神経細胞の伝達によって認識し、対処を判断して行動している。その脳内メカニズムを解明するためには、複数の神経活動が伝わっていく様子を捉える必要があるが、情報の伝達速度が非常に速いなど正確に動きを捉えることが難しく、研究が進まない現状があった。

 吉見教授は、他の生物と比べて極めて大きな神経細胞を脳に持つアメフラシを用いて、脳に当たる神経節にアンモニウム塩を投与し、味覚認識中の脳神経の伝達スピードを遅らせることで、これまで不可能だった、脳神経の伝達活動を捉える手法を確立した。

 今後、さまざまな条件下での神経伝達の動きと変化を明らかにすることで、生物の本質的な認識メカニズムをひも解く一助となることが見込まれている。それにより、神経系疾病の新たな治療法や、一人ひとりの症状に合わせた人工感覚器の開発などへの応用も期待できる。

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