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【城西大学】男子駅伝部、箱根7位でシード獲得 50周年イヤー好発進

[ 2015年1月23日 05:30 ]

箱根駅伝競走で総合7位、シード権を獲得し喜びを爆発させる城西大男子駅伝部のメンバー
Photo By スポニチ

 創立50周年を迎えた城西大学が絶好のスタートを切った。2、3日に行われた第91回東京箱根間往復大学駅伝競走。男子駅伝部は総合7位に食い込み、見事に3年ぶりのシード権を確保した。今回は「城西大学スポーツ50年史」特別編として、櫛部静二監督(43)、村山紘太主将(4年)らがレースを振り返った。

 3日、大手町。復路9位スタートの城西大学は7位でフィニッシュし、3年ぶりのシード権を獲得した。9区を終えた時点まで順位の変動はなかったものの、アンカーの寺田(4年)が区間賞となる激走。「最低でもシード権、目標は5位以内」を掲げていた櫛部監督は「最低限の目標はクリアした。しかし、5位以上を狙っていこうと話していたので、シビアに考えれば単純には喜べない」と振り返った。

 昨秋の全日本大学駅伝に続いて前半型のオーダーで臨んだ。「あの時は後半失速したものの、5区までは流れに乗ることができた。それをベースに、箱根も前半型で組んだ」。1区はチーム内で最も成長著しい松下(2年)、2区はエース村山、5区は上りも下りも強い菊地(2年)を配し、チームの柱とした。

 だが、村山をアクシデントが襲う。大一番を前に右足に腸脛(ちょうけい)じん帯炎を発症。不安を抱えながら、序盤は快走した。だが、最後の3キロから「手足がしびれて全然力が入らなかった」と余力は残されていなかった。それでも、意地の8人抜きで区間2位。ハーフマラソン学生記録を持つ双子の兄・謙太(駒大4年)とのツインズ対決にも勝った。「この2年はシード権を逃したり、途中棄権があったりと苦い経験をしてきた。主将を任され、どうチームと大学に貢献できるかをずっと考えてきた。やっぱり結果を出していくしかないと思ってこの1年間やってきた」と振り返る。

 そして仁川アジア大会5000メートル日本代表まで成長し、3度目の2区で有終の美を飾った。そんな村山について、櫛部監督は「大みそかになって、脚が深刻な状態であると判明した。医師の治療を受け、痛みの中では最高の走りをしてくれた」と称えた。今後については「五輪を目指してほしい。リオはトラック種目で、そしてマラソンへ」と期待を込めた。

 主将の激走の後は横田(4年)、山本(3年)、菊地とつなぎ、8位で往路を終えた。山上りで区間9位と健闘した菊地は「腹痛やけいれん、少し低体温にも見舞われ、後続との差をつめられてしまった。最後まで(村山)紘太さん頼みになってしまったことが悔しかった」と今後の雪辱を誓った。

 3日の復路では期待の1年生、菅が9区を担当。「大きなプレッシャーを感じながら、レースに臨んだ。前半から積極的に走れたが、後半に課題が残った」と箱根デビューを振り返った。そして10区では4年生が意地を見せた。アンカー寺田が区間賞となる激走。前回9区で区間20位だった男が、9位から7位にチームを押し上げフィニッシュ。「少しは見返すことができた気がする。総合7位、シード権獲得は本当にうれしい。後輩たちに何か残すことはできた」とコメント。寺田について、指揮官は「10人の中で一番調子が悪かったけれど、持っている力を信じて懸けた」と説明した。

 チームとして大学史上最高の6位には届かなかったが、待望のシード権獲得だ。「こうしてシード権を取ることができたのも皆さんの応援のおかげ。これからも城西大の応援をよろしくお願いします」と村山は周囲に感謝した。「能力の高い4年生がそろっていたが、全体的に伸び悩んだ1年だった。しかし、練習を信じ、自分を信じ、チームメートを信じて箱根に挑んだことが結果につながった。精神的に強くなった」と櫛部監督は話す。

 学校法人城西大学を創設した元大蔵大臣の故・水田三喜男氏が柔道や剣道で心身を鍛えたことから、二女の水田宗子理事長のもと「スポーツによる人間形成」に力を注いでいる中、創立50周年の大学にとってメモリアルイヤーは上々の滑り出しとなった。

 「心身ともにまだまだやることはたくさんある。2年生が成長著しく、強くなってきている。また、新入生も加わるので、さらにチーム内での競争を高めていきたい」。指揮官の口調が熱を帯びた。

 【選手コメント】◇1区・松村陣之助(経営2)今回は1区という重要な区間を走らせてもらった。タイム自体は悪くはなかったが、区間16位という悔いが残った。これからスタミナをつけていき、来年1区でリベンジしたい。

 ◇2区・村山紘太・主将(経営4)2日間、寒い中、応援ありがとうございました。これからも城西大学の応援よろしくお願いします。城西大学バンザイ!

 ◇3区・横田良輔(経営4)たくさんの人に応援してもらい、本当に多くの人たちの支えがあり、ここまで来ることがでた。そんな人たちに出会えて本当に幸せです。この4年間は本当に最高でした。応援ありがとうございました!

 ◇4区・山本雄大(経営3)個人的なことで言えば反省する点は多いが、チームとしてシード権を獲得できたことは良かった。沿道からの応援も力になった。来年も出場できる権利を得たが、気を抜かずより一層努力していきたい。

 ◇5区・菊地聡之(経営2)今回シード権を獲得できたことはとてもうれしいが、個人的には悔いが残った。最後まで紘太さん頼みになってしまったことが、なにより悔しかった。来年は紘太さんがいなくてもシード権がとれるよう質の高い選手を目指したい。

 ◇6区・西岡喬介(経営3)区間10位とチームの順位を落としてしまう結果となってしまった。前半から苦しい走りをしてしまい、後半の傾斜がきついところで我慢ができなかった。襷はいい位置では渡せたが、個人の結果には満足していない。今後に生かし、来年の箱根を目指してこの1年を頑張りたい。

 ◇7区・室井勇吾(経営3)9年間の陸上人生で一番の目標だった箱根駅伝に出場することができてうれしかった。区間6位で想像以上にいい走りができたと思っている。シード権の得でチームの目標が達成できたことが、とてもうれしい。来年もシード権を獲得できるよう一から自分を見つめ直して頑張っていきたい。

 ◇8区・黒川遼(経営4)最後の箱根駅伝は遊行寺の坂が予想以上のきつさで苦しいレースになり、個人としては微妙な結果だった。この1年間は去年より成績を残せず、試練の年だったのでこれが実力だったかもしれない。だが、みんなの頑張りで7位、シード権を取り戻すことができた。たくさんの応援ありがとうございました。

 ◇9区・菅真大(経営1)櫛部監督から「前を追って行こう」との言葉を掛けていただいていたので、前半から積極的に走れた。後半に課題が残った。寺田さんに流れを止めずにつなぐことができて良かった。来年はしっかりと練習を積んで同区間でリベンジをしたい。

 ◇10区・寺田博英(経営4)紘太頼みのチームだったことはいなめないが、復路でも7位に入ることができた。区間賞は正直かなり驚いている。いい流れの中で走り出すことができ、チームの皆や応援してくださった方々の支えで区間賞をとることができたのだと思う。いいとこ取りさせてもらい、ありがとうございました。後輩たち頑張れ!

 ◆学校法人城西大学 1965年(昭40)に水田三喜男氏が「学問を通じての人間形成」を建学の精神として埼玉・坂戸に城西大学を創立。83年に城西大学女子短期大学、92年には千葉・東金に城西国際大学を設立。05年には3つの大学を結ぶ中心点として東京都千代田区紀尾井町にキャンパスを開設した。城西大は経済学部、経営学部、現代政策学部、理学部、薬学部の5学部8学科があり、城西国際大は看護学部、薬学部、福祉総合学部、環境社会学部、経営情報学部、メディア学部、国際人文学部、観光学部の8学部がある。水田宗子理事長は比較文学者、詩人としても知られている。

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