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こだわり旬の旅|2012年

【愛媛・松山】ボランティアガイドがおもてなし 「坂の上の雲」舞台

道後温泉まで路面電車内で観光案内をするガイドの増山さん

 昨年末までのNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」であらためて脚光をあびる愛媛県松山市。近代国家形成に尽力した主人公、秋山好古・真之兄弟のように、観光の新たな形を築くべく「瀬戸内・松山キャンペーン」を6月30日まで展開している。鉄道と船で広域観光を楽しんでもらおうというもので、ボランティアガイドが新登場。心のこもった案内が売り物だ。

 「よう、いらっしゃいました」――JR予讃線松山駅改札口。毎週土曜日午後2時半になると、緑色のハッピを着た熟年の男女が観光客を迎える。計200人いるという地元のガイドたちだ。目的は道後温泉行きの路面電車に同乗するなどしての観光案内。運賃(150円)以外は無料というのがうれしい。

 高さ4メートルもある正岡子規の「春や昔十五万石の城下かな」の句碑の前から電車に乗ると案内はすぐに始まる。「大手町で路面電車の線路を伊予鉄道の列車が横切る。これをダイヤモンドクロスと言います」「六角堂はお稲荷さんなのにタヌキを祭っています」「湯築城は日本百名城の1つで、松山には松山城とともに百名城が2つあります」…ガイドの増山正則さんは車窓に広がる風景を指さしたり、用意した写真を掲げて説明。道後温泉までわずか20分ながら、通常なら見過ごしてしまう名所・旧跡を教えてくれ、何か得した気分だ。

 「湯・遊(ゆうゆう)コース」と名付けられた案内は温泉に着いてからも続く。まずは30分おきに時を奏でる高さ10メートルの坊ちゃんカラクリ時計。そこから土産店など100店が並ぶ道後ハイカラ通りを抜けると、596年に聖徳太子が伊予の温泉を訪れた際建てたといわれる碑文。そして3000年の歴史を誇り、17の源泉を持つ道後温泉のシンボル道後温泉本館(入浴料400円から)、一遍上人の生誕の地といわれる宝厳寺など約2時間。秋山兄弟や子規らが生まれ育った地を知るためには絶好のコースだ。

 翌日は松山観光港からフェリーで「瀬戸内海道1号線」と命名された海路を呉(広島県)に向かったが、2人以上なら船上でも地元ボランティアガイドが案内してくれる。秋山真之ゆかりの江田島や平清盛が開削した音戸の瀬戸、子規が訪ねた呉など瀬戸内海の多島美を楽しみながらの2時間のクルーズ。「観光は点でなく線で、ということ。我々が少しでも貢献できれば」と船上ガイドの岩井仁茂さん。新たな旅の形なのかもしれない。

 ▽行かれる方へ 湯・遊コースは道後観光案内所発も。これも無料で予約不要。船上ガイドは7日前まで要予約。俳句とハイクを組み合わせた、ガイドの案内によるまち歩き「松山はいく」は参加料2000円。問い合わせは松山観光ボランティアガイドの会=(電)089(935)7511、松山市観光産業振興課=(電)同(948)6557。

[ 2012年5月21日 ]

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