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イシガキダイ 感動“独り占め”

[ 2016年11月19日 05:30 ]

貸し切り状態の1級磯で良型のイシダイを釣った筆者

【奥山文弥の釣遊録】
◎マカドテラス伝説よ、いつまでも
 
 東京海洋大学とマルキユーの共同研究で、海の環境に関する研究を行っています。釣り人のまく、まき餌が海中にどう影響しているのか調べるのです。05年から毎年、三宅島で行っているのですが、港の堤防周辺に潜って観察しています。まきエサは海底にたまることなく、沈下中に魚たちに食べられ、瞬く間になくなっていきます。そのため、マルキユーのように食品素材を使ったものを使わないと、魚たちに悪影響が出ますね。釣った魚も食べますしね。

 例年ですと空き時間に、磯や堤防からメジナやシマアジなどの上物釣りをするのですが、今回は研究中の新餌のテストも兼ねて石物と言われるイシダイにチャレンジしました。難しいと言われている魚ですが三宅島ならなんとか、という安易で甘い考えもありました。

 釣りの必須条件は、1に場所、2に道具、3、4がなくて5に技術だと私は考えています。魚がいなきゃ釣れないし、適切な道具がなければ釣れません。

 そこそこの技術は必要だとして、3と4はなんでしょう。釣りの種類や、対象魚、人の考え方によって変わると思いますから、わざと空けてあるのですが、私の場合は、運と指導者だと思っています。

 三宅島で最も有名なイシダイの磯は、沖合に浮かぶ大野原群礁(通称・三本岳)、その中でもマカド根のテラスは超一級と言われています。しかし今年は天候が悪くて三本岳に行ける日が少ないそうです。

 行けたとしても釣り人は多いので、テラスはじゃんけんで釣り座を決めるそうです。5メートルの間に仕掛けが10本投入もザラで当然、交差しますから、私のような磯釣り素人が行く場所ではありません。

 今回は風が強くて週間予報も悪かったため予約もなかったそうです。前日「あすも三本は無理かも」と言われていたのですが、急に天候が回復したので行くことができました。上物狙い2人、石物狙い2人の4人で、あの三本岳が貸し切りです。石物狙いのもう1人は、大学の先輩でもあるマルキユーの長岡寛さんです。運が良くいい場所に貸し切りで入れた上、指導者にも恵まれたのです。

 餌はマルキユーの「食わせ赤貝」、新餌、そして現地でカニを購入しました。長岡さんの指導を受けながら、テラスでは1投目から当たりがあり、すぐに餌が取られるほどでした。

 何投か目に最初に釣れたのは巨大なイシガキフグでしたが、長岡さんは赤貝でイシガキダイの1キロ級をすぐに釣りました。それに見とれていると「奥山くん、きょうはチャンスだからどんどん投げなさい」と拍車をかけてくれました。

 餌の付け方がうまくいきはじめたころ、私にも最初のイシガキダイがヒット。イシダイの3段引きと言いますが、ググン、ググン、ギューンとロッドが曲がる当たりは強烈。上げてみるとこんなに小さいのがあんなに引くの?と思うほどのサイズでしたが初めてのイシガキダイを釣って感動しました。

 その後、しびれるほど連発しました。ハリは釣るたびに交換したのが良かったのでしょうか。新餌を含めヒットは15回、キャッチは12匹という快挙。超幸運な日でした。長岡さんと20匹以上釣りましたが、魚はすべてリリースしました。いつまでもマカドテラスの伝説が続きますように。(東京海洋大学客員教授)

 ◇東京海洋大学フィッシングカレッジ

 12月5日(月)、午後6時半から東京・品川の東京海洋大学で。参加無料、予約不要。テーマは「ワカサギの科学」。講師は同大学・工藤貴文准教授。

 バリバスカップ2016スポニチ「東京湾シーバス釣り大会」を12月3日(土)に開催します。詳細は別表の通りです。水温が下がり難易度が増す冬のシーバス釣りに挑戦してみませんか。豪華賞品が当たる大抽選会も併せて実施します。奮ってご参加ください。

 ▽申し込み

 【深川】吉野屋=(電)03(3644)3562

 【南六郷】ミナミ=(電)03(3738)2639

 【川崎】中山丸=(電)044(233)2648

 【横浜新山下】渡辺釣船店=(電)045(622)8381

 ▽問い合わせ スポーツニッポン新聞社東京事業部=(電)03(3820)0651、同文化社会部=(電)03(3820)0624。



 ▽主催 スポーツニッポン新聞社 東日本釣宿連合会

 ▽特別協賛 モーリス

 ▽協賛 大塚食品、オカモト、サニー商事、サクラ高級釣竿製造所、シマノ、ジャルパック、上州屋、大同石油、ダイワ(グローブライド)、タックルベリー、ハヤブサ、マルキユー、ルミカ

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