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“難問”シーバス しゃくって解決 バラシに焦るも50センチ級

[ 2018年3月4日 07:11 ]

そこそこのサイズのシーバスを釣り上げた筆者
Photo By スポニチ

 【現役東大生 釣りまくる!】現役東大生が釣り面に登場する新企画がスタート。「東大釣友会」に所属する、法学部3年生、中村太郎が狙ったのは東京湾のシーバス。期末試験も終わり、今度は海の“難問”に挑戦だ!

 法学部の期末試験はとにかく過酷だ。試験1カ月前から準備を始め、対策を練る。朝から晩まで六法全書とにらめっこ。「民法起草者の論文の抜粋を読み、そこで論じられていることと現在の通説について比較検討して論ぜよ」という民法の鬼教授が出題した試験や、難解な憲法の試験をヘロヘロになりながらついに乗り切った。

 約1カ月間釣りに行けず、“釣欲”を極限まで高めていた私は、新山下・渡辺釣船店でシーバスジギングに挑戦した。大学入学以降、頻繁に釣行を共にしてきたクラスメートとの釣行だ。

 午前7時に出船。朝日を浴びながら、船はグングン沖に走っていく。30分ほどたち、到着したポイントは大型タンカーの真横。係留されているタンカーの下にシーバスが数多く潜んでいるとのこと。ちょい投げでタンカーの脇ギリギリに80グラムのジグを落とし込み、着底したらジグをしゃくって誘いをかける。

 数流し目に時合が到来した。ジグの着底直後の巻き上げに次々とシーバスがアタックしてくる!周囲が順調に釣り上げる中、私は何度もバラし、焦りながらしゃくり続ける。そしてついに乗った!

 強い引きで何度も突っ込み、浮いてきたのは50センチ台後半のシーバス。バラさないように抜き上げてついに御用。

 この時合で、私も友人も2匹ずつ釣り上げた。ファイト中のフックオフや、シーバス特有のエラ洗いでのバラシにより、なかなか数を伸ばすことができなかったが、果敢に当たってくるシーバスとのファイトを存分に楽しむことができた。

 その後はポツリポツリと魚を拾っていく展開に。田中茂生船長に話を聞くと、着底からの速いジャークでアピールし、フォールで当たりを取るのが鉄則のようだ。今回、私も友人もスピニングタックルを使用しており、フォールでの当たりを捉えることができず大苦戦。その後、シーバスからの反応はパッタリと途絶え、誰も当たりを拾えなくなってしまった。何度かポイントを移動するものの、シーバスは口を使ってくれない。なんとか友人が1匹追加したものの、これで終了。

 ベイトタックルだったら序盤の時合に数を伸ばせていただろうと反省。女将さんに「あなたたちスピニングでよくオデコじゃなかったわね」と驚きあきれられてしまった。

 その後は友人宅に移動し、お楽しみのクッキングタイム。この日のメニューは刺し身とムニエル、あら汁、アヒージョ。この日のために選んだ日本酒とともに、料理を味わうと、試験のストレスなど一発で吹き飛んだ。

 冬場はルアー釣りのターゲットとなる魚が減ってしまうが、この時季に産卵のために岸に寄ってくるシーバスは格好のルアーターゲット。今回も渋いなりに久しぶりの釣りを存分に満喫し、ようやく試験期間にためにためた“釣欲”を発散することができた。

 春休みに入り、釣ざんまい!といきたいところだが、大学3年生の私は就職活動を控えている。うかうかしていられないが、時間を見つけてはちょくちょく釣りに行き、楽しく就活を乗り切りたいと思う。

 ◇中村 太郎(なかむら・たろう)。1996年生まれ、東京出身。東京大学法学部3年生。10歳より渓流フライフィッシングを始める。現在は東大釣友会に所属し、磯からのヒラスズキや青物、サーフでのヒラメ釣りなどを楽しんでいる。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、横浜新山下・渡辺釣船店=(電)045(622)8381。出船は午前7時と午後0時半。乗合各6800円。通しは9800円。21日にシーバスジギング大会開催。

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