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チビっ子名人健闘! 寒さ吹き飛ぶホットな磯釣り

[ 2018年2月14日 11:00 ]

この日は大物ゲットはならなかったが、数日前に44センチのイシダイを釣り上げた“チビっ子名人”藤井勇人くん
Photo By スポニチ

 【釣りラブ】磯釣りと言えば“おじさんくさい”イメージで、どこか立ち入り難いなあ…なんて思ってる人も多いのでは。とんでもない!和歌山県由良町では最近、女性や子供が磯に渡って好釣果を上げながら楽しんでいるという。早速、当地の「上野渡船」に連絡すると“チビっ子名人”がちょうど来るというので、魅力を知るいい機会だと思い、出向いた。(スポニチAPC・八十川景一)

 近年にない強烈な寒波が到来している今年の冬。釣行した3日は寒さは気持ちましで、渡船の休憩所は客でにぎわっていた。多くの釣果写真が飾ってある中、三重県志摩市の小学3年、藤井勇人君のものが目立つ。1年生の時から通い詰めていると教えてくれた。

 彼と同じ磯に渡るべく、午前6時に当地の大引港を出船。まだ、夜が明けきれないうちにオオクラと呼ばれる磯に降り立ち、波や風の様子をまずは見る。

 かなり風が強いのでオモリは5Bを選び、ウキ下4ヒロ、ハリス2ヒロ。藤井君も手際よく仕掛けを準備している。マキエをしながら、波の泡や水面のうねりを観察している。昨年は夏休みに毎日来て、いろいろな魚種を何と1000匹以上も釣り上げたそうだ。

 水面下の岩礁に違う波がぶつかり合うと、どの方向に流れができるか、風呂で実験して仕掛けや流し方を考えているというから正直恐れ入った。ゲームやAIに夢中になる人が多い現代社会の中で、波風にあたって五感を研ぎ澄まし、芽生える第六感と獲物との遭遇に喜びを見いだす。これこそロマンと言えるだろう。

 こちらも泡とうねりを見ながら、狙いを定めて仕掛けを落とす。うまくいけば読み通りの流れに乗り、ラインが出ていく。これだけでも、自然との一体感を感じることができ、ウキウキしてくる。

 風が強くなり、仕掛けが浮くようになってきたので、オモリを一つ追加。想像を膨らませ、瞬時に対応するのもだいご味だ。この日はあまりに水温が低すぎて、同じ磯にいた4人全員が昼過ぎまでで数匹のガシラのみ。目当てのグレ、マダイには縁がなかったが、次回の勉強になったと納得。とはいえ、藤井君は数日前に42センチのグレと44センチのイシダイを、前日には和歌山市の女性アングラー、大瀬睦さんが66センチの良型マダイをヒットしているとのことで、「タイミングが合って経験さえ詰めば自分も…」と思えてきた。

 磯釣りは久しぶりだったが、待つ釣りではなく、観察しながらアグレッシブに動くため、時間のたつのがあっと言う間。まさにスポーツ感覚満載で、地味なんて言ったら笑われちゃいます。自然を相手に思いっ切り遊ぶつもりで家族で足を運べば、子供のはち切れんばかりの笑顔が見れるかもしれませんよ。

 問い合わせは上野渡船=和歌山県日高郡由良町大引578、(電)0738(65)1222。3日の船釣りでは滋賀県湖南市の安部浩晃さんがメジロ67センチ、栗東市の藤川良蔵さんがヒラメ48センチ。

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