×

荒波越えて40センチ級寒クロ 海に立ち込む「渚釣り」で歓喜

[ 2017年12月15日 07:09 ]

波の中に立ち込んで釣る「渚釣り」
Photo By スポニチ

 【磯&堤防ガイド】厳寒の季節に狙うのが“寒クロ”。新潟県村上市の名勝「笹川流れ」の浜で「渚(なぎさ)釣り」に挑む仲間に同行した。また山形県酒田港では良型が上がりだした。(スポニチAPC 小林 純平)

 【笹川流れ】

 この時季になると、笹川流れの海岸から山形・庄内の浜にかけては、海に立ち込んでクロダイを狙う「渚釣り」が盛んに行われる。暗闇の海岸では、釣り人のヘッドライトが蛍のように点灯する。

 渚釣りは、伝統ある庄内釣りの一つで根強いファンも多い。この日は、鶴岡市在住の仲間に同行して村上市の「馬下」と呼ばれる浜に降り立った。

 仲間のタックルは、ロッドがヘラ竿6・3メートルを中通しに3号の道糸を巻いたフライリール。ハリスは2・5〜3号。ハリはチヌバリ4〜5号。ハリから20センチぐらいのチモトにはガン玉の5B。波の強さによっては軽くすることもあるという。まき餌は、マルキユーの「スーパーワンスペシャル」にオキアミを混ぜ、足元にパラパラと

入れる。付け餌は大粒のオキアミ。

 海は北西からの風が強く時々大波が打ち寄せるが、ウエダーに身を包んだ仲間は波にも負けずに立ち込んでいる。

 夜明け前、加藤謙一さん(46=自営)に当たり。だが暗くて竿の曲がりがよく見えない。手応えは十分だという。そして、ヘッドライトに照らされながら浜に引き上げられたクロダイは48センチの大物だった。

 しばらくして斉藤裕之さん(46=飲食店経営)の竿が曲がった。「ちょっと小さい」と言いながらもうれしそうである。

 夜明けを迎えても当たりが出なかった遠田茂昌さん(71=自営)に待望のクロダイ。細身の長竿を大きく曲げてのやりとりはスリリングでもあるし、迫力も満点だ。

 ▼釣況 鶴岡市・フィッシングハウス・ライズ=(電)0235(43)2015。

 【酒田港】

 冬特有の強い北西の風だったが、風を背にして釣りやすい火力発電所近くの堤防を選んだ。

 ここは火力発電所からの温水の排水が流れ込んでいるから、海水温はいくらか高くなっており、クロダイは早春から釣れ始め、厳冬期を迎えても狙える。通称「温排(おんぱい)」と呼ばれている。

 天童市の釣り仲間、谷口健刀さん(30=会社員)は、クロダイ釣りの経験は浅く、今回はどうしても40センチクラスをゲットしたいと意気込んでいる。

 水深は5メートル前後だが港内ということもあり潮流は、ゆっくり左右に行ったり来たり。底狙いの仕掛けを投入したが、餌取りの小魚は、たまに豆アジが食ってくる程度で気にならない。

 潮の流れが止まりかけた時、筆者のウキがスッと海中に消えた。ロッドの合わせと同時に手に伝わってきたのは、クロダイ特有の重くて強い引きだ。

 浅場のため左右に動き回る。次第に海面近くまで浮いてきたが、それでも何回となく強い突っ込みを繰り返すので油断はならない。慎重なリーリングで、とうとう仲間の差し出すタモに入った本命のクロダイ、40センチジャストの良型だった。

 そして谷口さんにも待望の当たりが。ロッドがビュッ!という風切り音。35センチクラスだったが、酒田港第1号のクロダイにホッとしたようだ。

 だが谷口さん、すぐに連発させた。竿先が海面近くまで曲げられ一目で大物と分かったが、強烈な引き込みを数回しのぎ姿を現した。デカい!筆者のクロダイを上回る43センチの“イブシ銀”。「寒クロ」特有の脂が乗ったクロダイであった。温排水が流れ込む堤防周りのクロダイはまだまだ楽しめる。

 ▼釣況 酒田市・フィッシュオン=(電)0234(26)2228。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る