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アマゴ不満もズガニで満腹 大物ヒットせず…でも料理はヒット

[ 2017年10月6日 08:09 ]

荻ノ入川の大堰堤でアマゴを狙う
Photo By スポニチ

 【釣りの旅】ヤマメ、イワナなどの渓流釣りは9月末で禁漁となったが、静岡県には10月末まで釣れる河川がある。その中でも伊豆の河津川では10月からズガニ漁が解禁され、この1カ月は“渓流釣り&カニ料理”の両方が楽しめる。さあ、チャンス到来! (スポニチAPC 若林 茂)

 天城峠を越え、720度ぐるぐる回りのループ橋を下りると、河津七滝(ななだる)のにぎやかな観光地。この辺りの河津川本流は大石を配した堂々の水量が魅力的だが、ここで釣りをしたことはない。大滝(おおだる)近くで右岸から合流する荻ノ入(おぎのいり)川が最も気に入りの支流だから。

 ルアーで釣り上がった。ザラ瀬の中の落ち込みや石周りを1カ所1投で足早に進むが、30分ほどで15センチ足らずのチビアマゴ1匹だけ。必ず期待に応えてくれる大堰堤(えんてい)の下では第1投で良型をバラし、直後に連続ヒットしたが2匹とも15センチを超えられない。

 気分転換に久々の支流・奥原川へも行ってみた。キンモクセイの香りと名残のヒガンバナが迎えてくれたが、ここでも18センチともうひとつ。こうなれば、思いきって本流中流部を狙うしかない。

 峰大橋は昔、3月の解禁日に“いい思い”をした大場所。橋の欄干からはカニカゴを結んだロープが何本もぶら下がっている。川をのぞくと25センチ超の大アマゴが水面近くにユラリ。大急ぎ、フライ・タックルに替えて挑戦。

 しかし、フィーディング・レーンに定位する大アマゴは一向に反応せず、橋の上にはヤジウマが2人、また2人。

 今日は、なんて日だ!

 カニは期待を裏切らなかった。20年前から定宿にしている湯ケ野温泉の「民宿かごや」は河津名物ズガニ料理の名店だ。10年前に亡くなった店主・平川重春さんの跡を清江夫人(76)が継いでいる。重春さんは竹細工職人で、特にカニカゴ作りの名人だった。「かごや」の由来であるその作業場は今もそのままに保存されている。

 ズガニの標準和名はモクズガニ、あの上海蟹(シャンハイガニ)とはほぼ同種だ。

 「解禁直後でまだ形も数もそろわなくて…」

 なんて言いながら出てきた「ズガニのフルコース」はさすがの見栄え。もちろん味も。

 本日最大・甲長9センチのゆでガニ。邪魔なほどカニが入ったカニ飯。カニミソたっぷりのカニ汁。そして、野菜の中、カニが真っ赤にゆだっていくカニ鍋。

 腹いっぱい食って、さあ、明日はどこの支流で遊ぼうか…。

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