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マアジ慢心スソ22匹 人生2戦目で根拠なき自信抱くも…

[ 2017年9月23日 07:28 ]

仕掛けの扱いに苦労しながらもマアジを釣り上げた筆者
Photo By スポニチ

 【初釣戦】人生で2度目の釣りは東京湾のマアジ。本紙釣り面の釣果日報編集補助のアルバイトをしている私、渡辺詞音(しおん)が向かったのは深川・吉野屋。素人にも比較的、簡単に釣れるターゲットだけに今度こそは、と張り切ったのだが…。

 「マアジ釣りはシロギスに比べたら簡単だよ。コマセをまいて竿を下ろしたらすぐ釣れるから…」とバイトの先輩・Sさんが言う。

 だったら余裕じゃん。あわよくば竿頭も…なんて意気込んで乗り込んだ吉野屋丸。前回は葛西橋・第二泉水でシロギスを釣って19匹のスソ(船中で最低の釣果)だったのにもかかわらず、根拠のない自信があった。

 この日は朝から晴天。佐久間誠船長が船を向けたのは航程約1時間の木更津沖。

 マアジ釣りはシロギスで経験したことの応用問題。魚がハリ掛かりしたときの竿先の変化に集中する。少しピクッとして先端が上下に揺れ、振動が手に伝わる、そこを逃さないようにすぐ合わせることを意識した。

 だがいくら待ってもなかなか当たりが来ない。30分以上何も起こらなかったので周りの状況を確認すると、自分と同じ0匹はなかったが、釣果はイマイチだった。それを見た佐久間船長は船を横浜沖へ向けた。

 佐久間船長はとても無口で、アジ釣りのテクニックや工夫すべきポイントを聞くと「テクニックはいらないから、事前にレクチャーした通りオモリが底に着いたらリールを2回巻いてコマセを振り、また2回巻いてコマセを振り、さらにもう1回巻いて、あとは待っているだけで大丈夫」と言う。

 私は高校時代までサッカーに明け暮れていた。サッカーでもまずリフティングなどの基本を習得することから始める。テクニックはそれからだ。

 船長の言葉通り、忠実にやったらようやく釣れた。それも一荷だ。そこからは船に乗っている全員が次々とアジを釣っていく。だが私は…釣った魚をクーラーに入れるときにハリスが絡まってしまった。前回の取材の時も最も苦戦したのが、釣った魚がバタバタ動くのを押さえながら、ハリを口から取る作業。ここでも自らの手先の不器用さを露呈して、何回か釣り糸がめちゃくちゃになってしまったのだ。

 その間に他のお客さんは次々と釣っていく。序盤に同じくらいのペースだったのがあっという間に離されてしまった。

 その後、川崎沖に移動してから次々とアジが掛かったが、結果は22匹でスソ。前回ほど船酔いも少なく、長い時間釣れたが、少し不完全燃焼で悔いが残るかたちとなった。

 手返し、仕掛けの扱いがうまくいけばもっと釣果が良くなっただろうと考えるともったいない時間が多かった。

 佐久間船長は「手返しで釣果に差が出るよ」と言っていたっけ。手返しさえよくなれば…前回と同じスソでも私にもまだ伸びしろがある。今度こそは!とサッカーをやっていたころの闘争心がよみがえってきた。

 釣れたアジはどう楽しもうか。佐久間船長は生で刺し身、なめろうがおすすめ、とのことなので、早速、同居している祖母になめろうと塩焼きにしてもらった。冷たいビールがよく合う。いままで食べていたアジはいったい何だったのだろう、と思うほどのおいしさだった。

 ○…46匹釣って竿頭になったのは台東区の清水良亮さん(31=会社員)。川崎沖に移動してタナが変わったことに気付き、そこを重点的に攻めて釣果を伸ばした。釣り歴は20年以上。お台場が開発される前に父親に連れられてハゼ、メゴチ釣りをしたのがきっかけだそう。現在も1カ月に1回のペースで船釣りをしており、最近だとアジのほかにもカサゴやシーバスも狙っているという。釣ったアジは刺し身、素揚げ、南蛮漬けにして食べるそうだ。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、深川・吉野屋=(電)03(3644)3562。出船は午前7時。乗合料金8500円、女性、高校生6500円、中学生以下5000円。

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