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怪物ニジマス「ハコスチ」求め“天空”へ

[ 2017年9月1日 07:33 ]

マツムシソウが満開の野反峠から“天空の湖”を望む
Photo By スポニチ

 【釣りの旅】ブルーバックのお宝ニジマスを狙って群馬県の野反湖(のぞりこ)へ行って来た、5年ぶりだ。今年もこの時季の釣行となったのは猛暑を忘れ、早い秋を実感するため。ただ、今季からターゲットが少々変わった。「ハコスチ」という怪物ニジマスが加わったのだ。(スポニチAPC 若林 茂)

 関越道の渋川ICから75キロ、途中の長野原草津口駅からでも30キロと長いアプローチを走破して午前6時半、野反峠に到着。一望する野反湖は周囲を2000メートル級の山々に囲まれたお盆の底のよう。湖面標高1513メートルの“天空の湖”野反湖の大パノラマが眼前に広がる。外気温は17度、曇り。ああ、来て良かった。

 7時、ルアー・ロッド1本を手に展望台下のガレ場を下りる。何度か“いい思い”をしたポイントだ。10グラムスプーンの遠投にすぐに25センチ級のチビマスが来て、南へと投げ歩いて行くと先行者に追い着いた。写真を撮らせてもらいながら話し込むと、相当な猛者らしい。

 「今、1発バラしたところですよ。デカかったなぁ。あーあ」

 帽子には歴戦の釣り券を束にしてぶら下げている。熊谷市の森田秀樹さん(50=会社員)で、ハコスチ狙いで通っているがフックを伸ばされたり、ライン・ブレークしたり、悔しい思いばかりという。

 「でもね、ゴールデンタイムは8時から10時、これからです」

 森田さんの言葉を信じ、急きょニシブタ・ワンドへと移動だ。目指すは前回の「フライで45センチ」超えである。

 キャンプ場からワンドへの途中、弁天橋でクルージングするハコスチを目撃、しかも2匹。千載一遇のチャンスと、手を替え品を替えて30分粘ったがヒットしたのは30センチ弱、しかもスレ。

 そして10時、テン場へ移動してすぐ、ズシン!と重い当たり。沖へ突っ走って、止まった。少しずつ寄せる。あと10メートル、ブルン、ブルンとハコスチが頭を振っている。あっ、まさか。抜けた!

 林間の小路に上がってぼう然と引き返す敗者。ピーカンとなって汗だくのロートルを秋の花々が癒やしてくれる。満開のフジバカマやマツムシソウ。ハクサンフウロやシモツケもまだ咲いている。おお、ナナカマドの一部はもう紅葉が…。

 天空から下界へ、正午で幕を閉じた今回の釣り旅。しかし、15キロ下った道の駅・六合(くに)で思わぬ最終章が待っていた。道の駅に隣接した応徳温泉「お宿・花まめ」で森田さんとばったり。

 「あの直後でしたよ。40センチちょいのハコスチ、強烈でした!」

 「そりゃー良かった、おめでとう!」

 正直、うれしかった。自分が釣ったように。

 ▼ハコスチとは 群馬県水産試験場が特に遊漁用に開発したニジマス。同水試の旧・箱島養鱒センター育ちの雌とスチールヘッドの雄を交配し「もん絶級の強い引き」が売り。野反湖へは40センチ超の大型を今年6、7、8月に各2回放流された。

 ▼釣況 野反湖キャンプ場=(電)090(5201)4782。

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