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キスの夏 さっぱり南蛮漬けに恋をした 豊満ボディーにゾクッ

[ 2017年7月30日 07:21 ]

ねずみ男に似てなくもない                               
Photo By スポニチ

 【一釣一品 食べま専科】シロギスの南蛮漬けを食す。大抵は小アジでやっつけることが多い。それを淡泊な白身で味わうとどうなるのか。葛西橋・第二泉水に出向いて、メッカ盤洲で巡礼の糸を垂らした。(スポニチAPC 町田 孟)

 スレンダーなボディー。金糸を織り込んだ紗(しゃ)をまとった海の貴婦人は思いのほか豊満ですな。肘叩き級になるとプリップリ感が増す。その手触りに思わずゾクッ。何を思い出しているのか?初ダンパの頃を…。

 色っぽいキス。ところがものの本によると明治時代に「鼠頭魚」って表記されていたらしい。実際、そう見えんこともない。それにしても麗人に対して失礼じゃないの。

 失礼ついでなんだが、最近のアニサキス騒動で鮮魚の売れ行きが落ちたとか。芸人さんのツイッターが火付け役。長さは2〜3センチの線虫。それ!とばかりテレビのワイドショーなどが危険をあおる。揚げ句にアニちゃんが苦手な低温冷凍する回転寿司のみが安全のような取り上げ方。刺し身は冷凍ものしかダメなのかい?街の寿司屋さん、もっと怒りなさいな。流言飛語に近い。

 処理する際に注意していれば分かるんだ。大量生産のパック詰めは知らんがね。まっ、キスにはそんな心配はないが。ン、ちょい待ち。アニサ“キス”なーんて。

 【釣戦】今年の盤洲はやっと上向き加減になってきたところだ。それでも束が出ないだけで50や60匹はいける。僕はもっぱら胴突2本バリを使う。てんびんに比べて投げても絡まないのがいい。宿の仕掛けは全長1メートル、幹糸2号、枝0.8号。ハリは極軽キス7号。

 「軽く投げてオモリがトンと着いたら10秒待って大きくあおるを繰り返す。初心者は1本バリが扱いやすい。置き竿用に使う人も」。キス担当の黒沢正敏船長=写真=の胴突テク。

 【南蛮漬けクッキング】ピンギスの始末にもってこい。チョー簡単。ウロコを引き、頭を落として内臓を出す。あとは片栗粉を薄くまぶすだけ。油でジュッと揚げたら高温仕上げ。つけ汁(酢とダシの割合は7:3か6:4。甘みが欲しければ砂糖少々。おっとタカの爪も)にジュッ。焼きネギやニンジン、玉ネギ千切りも同時に浸し1日寝かせれば十分。

 塩焼き第一主義の家人いわく。「お酢が油っ気を消してさっぱりしている。夏向きかも。中骨も気にならない」。

 そんなにパクパクと…。腹が痛くなるぞ。間違ってもアイツのせいじゃないからね。

 ≪お返しの夫人孝行≫柴原照雄さん(76=会社員)はキャリア60年。特に「キスが好き」。さいたま市から月に1度通って来る。「昔は毎週だった」。最近はもっぱら、ふく子夫人(72)との「夫婦旅行」に費やす。「釣りに夢中になっていた頃のお返し」。夫人の頑張りもあって5人の子をもうけ「孫が8人」。年に1度の団体旅行がメインイベントになっているそうだ。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、葛西橋・第二泉水=(電)03(3645)2058。出船午前7時。料金8800円(餌、氷付き)。

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