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初夏の水面で釣れてマス! フライ見切られるも…しびれるファイト

[ 2017年7月8日 07:27 ]

きれいな魚体のブラウンを釣り上げた筆者。キャッチ&リリースルールで魚も増えている
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】4月に解禁した栃木県日光市の中禅寺湖では当初ダウンジャケットにネオプレーンウエーダーでも寒さを感じたものですが、新緑の季節、そして初夏、プライムタイムを迎えました。何がプライムかというと、湖のマス釣りでは珍しく水面で釣りが展開されるのです。

 中禅寺湖では、水棲昆虫の羽化や陸棲昆虫の落下に合わせてマスが浮上するのです。有名なのは巨大なモンカゲロウの羽化、そしてハルゼミの合唱です。セミが鳴き始めると「今年も始まったな」と季節を感じます。そのあとも数多くの甲虫が湖に落下します。待ち構えているのはブラウントラウトやニジマスです。特にセミ形ルアーやフライを使った釣りはこの時季しかできないので、この時季は激戦になります。そして梅雨が明けて水温が完全に上がるとマスは再び深い場所へと戻っていきます。

 6月下旬の土曜日、湖畔に到着したのは午前7時を回っていました。今年のドライフライシーズンは終わったと言われたのですいていることを期待し、さらに朝マズメを最初から諦めたので自宅をゆっくり出ました。フライフィッシングで日中に釣れる魚を狙おうとしたからです。

 午前8時スタート。歌が浜の駐車場を徒歩で出発しました。リュックサックを背負い、山側をハイキングです。使用タックルはロッドがループのマルチ594(9フィート5番4ピース)これにループのストリームラインWF5Fという水面に浮くラインを使用。リーダーは4X9フィート。フライは迷わずセミです。

 同じ考えの方が多いからか意外にも人は多く、その空いた場所に入りつつフライを水面に浮かべます。しかし、全くセミフライに反応がないのでやはり終わったか?と不安がよぎりました。それでも湖の景色は最高に美しく透明度も高いので満足度は高いものでした。

 ライズがあった場所でもフライに出なかったので不思議に思い、岩の上に立って、水中を見下ろすように凝視しました。すると反応しているじゃないですか。フライが着水すると同時に、茶色い魚体が浮き上がってきてフライの周りをぐるぐる回り、食べるのをやめる姿を見てしまいました。魚が賢くフライを見切っていたのです。

 「いるじゃん」。ドキドキ感を抑えるために昼食をゆっくり取りました。

 時間を置いてやや小さめのフライを同じ場所にキャスト。するとフワーッと茶色い背中が浮いてきてそこからはスローモーションのように口を開けてフライを食べるのが見えました。合わせを入れると、いきなりジャンプし、リールが逆転。5番ロッドでは十分すぎる素敵なファイトを味わうことができました。50センチほどの美しいブラウントラウトでこんなにしびれるなんて。

 その後バッキングラインまで引き出して走る元気で美しい同じサイズのニジマスに出合うことができました。 (東京海洋大学客員教授)

 ▼釣況 上信越地区東日本釣宿連合会所属、中禅寺湖・民宿おかじん=(電)0288(55)0410。

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