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初夏の味わい タカベ寿司 ほんのりとニシンの風味

[ 2017年6月8日 07:35 ]

雑魚をおいしく
Photo By スポニチ

 【吾作流 雑魚をおいしく!】東西の文化の違いで価値が異なる魚がいる。タカベがそうだ。関西方面ではメジナ(グレ)釣りが盛んなせいか関東ほど釣れても喜ばない。旬は初夏だ。 (イラスト&文 桜多 吾作)

 タカベは脂肪の乗りも良いし、老化を防止する脂肪酸も持っている。釣れる場所によっては、食べると昔懐かしいニシンの風味がすることがある。

 脂の多い魚だから鮮度の落ちるのも早い。カンカン照りの時に釣れたらすぐ氷を多めに入れたクーラーで保存しよう。

 釣れるのは25センチぐらいが多いので、手早く食べるならウロコを取らずに、そのまま焼いた「塩焼き」がおいしい。食べる時は、背側を下にして上から押すと身がほぐれやすい。レモンを垂らし、好みで大根おろしを添えて召し上がれ。

 ウロコをこそぎ、エラ・ワタを取ったら三枚におろし身を細かく切って叩いた「タタキ」や、それをフライパンで焼いた「ハンバーグ風」もオススメ。

 「刺し身」は塩もみしたキュウリなどを添えるとより清涼感あふれていい。

 たくさん釣れて食べきれない時は、次の日に三枚におろして生酢に10分間漬け、皮をはいで、酢大さじ1、白味噌大さじ2、砂糖大さじ1にショウガ、ネギのみじん切りを加えてあえた「酢味噌あえ」なんかも、これから蒸し暑い日にさっぱりとおいしい。

 この魚でぜひ試してほしいのが「寿司」。作り方は別掲イラストの通りなのだが、今の季節ならほんのりとニシンのような風味も楽しめる。それが嫌いという人は夏休みの終わりごろに試すべし。

 「タカベ味噌」は冷ややっこで食べるのが一番うまいと思うが、レタスや野菜につけたり、そうめんの汁に混ぜても良い。

 タカベは割と骨が軟らかい魚なので、ぜひ楽しんでほしいのが「骨せんべい」。唐揚げで2度揚げするだけ。現代社会はどうしてもカルシウム不足になりがちだから、なんかイライラしている人は食べてみてください。

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