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釣れづれなるまま!?ヘラを楽しむ 

[ 2017年4月29日 07:11 ]

高山恵美子さん(中央)のおかげで今回の最大魚38・5センチを釣り上げたアモーレ石上さんと未来夫人。左は筆者
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】今回の「フィッシングカレッジ釣幸会の奥山塾」は、東京都あきる野市の秋川フィッシングセンターでヘラブナ釣り。参加者10人中9人がレンタルでしたから、いかに初心者集団かお分りいただけるでしょう。とはいえヘラは初めてだけど釣り歴20年以上という方も。

 今回もマルキユーの女性研究者である高山恵美子さんと、餌を知り尽くした研究室の3強が指導してくれました。本当の意味でのNo・1女性インストラクターです。餌の研究、分析を手掛け、他の女性指導者が追従できない域に達しています。

 ヘラブナ釣りはウキ1本で水中を想像し、いま自分のウキの下で何が起こっているのか、冷静に判断し、魚の反応があったら瞬時に合わせなくては釣れません。その点がグーンと手元に当たりが来る他の釣りとは異なるところです。反射神経とも戦いになるわけです。

 仕掛けは竿はがまかつの「凛刀」8〜10尺、道糸はサンライン「へら奏」1・5号。ハリはがまかつ「改良ヤラズ」の5号・3号。上バリのバラケ(寄せ餌)はマルキユー「パウダーベイトスーパーセット」。下バリの食わせ餌は同「力玉ハード」。バラケの煙幕の中に力玉があるのでそれを吸い込む、という仕組みです。

 目標は1人3匹。私たちの間では、1匹目は神の恵み、2匹目はまぐれ、3匹目が実力としています。

 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ヘラブナは当たりがたくさんあるのに釣れないという現象も起こります。バラケの粒子を吸い込んでいるときはふわふわウキが動いたり、糸が魚体に当たったりウキの動きはさまざまです。ハリが魚の口に入っていなくてもウキが動くのです。

 しかし「ツン」と力強く、短くウキが入ったときは本当たりです。すかさず竿を立てると掛かります。

 そうして当たりがあるのにヒットしない時間を多く過ごすため、精神修養になります。「なぜ、どうして?」って悩まされるのです。

 さらに餌を指先で小さく丸めるという日頃しない動きが脳を刺激するため、脳の活性が上がると言われています。ヘラブナ釣りの年配者で頑固な方が多いのもこれのおかげだそうです。ボケないんですね。

 参加者の中で世界記録のメバチ(3キロテスト1・5号で6・54キロ)を釣り上げた経験をもつ市毛麻利子さんは、ウキが動いても手が動かず苦悩していました。

 釣り歴20年以上の白戸孝明さんは久しぶりのヘラ体験でウキの動きに慣れてからは順調でした。

 タナゴ釣り人のアモーレ石上、未来夫妻は昨年に続いての参加。2人ともに30センチ以上の立派な魚を釣り上げました。

 昼食時には午前中を反省し、マルキユーの研究室を立ち上げた企画部次長の長岡寛さんからワンポイント机上レッスン。

 午後の部は、皆さんがコツをつかんだようで、ポツポツヒットが続きます。ガンガン連発しないところが私たちのヘラブナ釣り。のんびりと、しかしあっという間に一日は終わり、皆さんは脳の中をリフレッシュして帰路に就きました。

 普段はルアーや海釣りをされている方々もぜひヘラブナ釣りに挑戦してください。釣らせていただくのではなく、自分で釣るという狩猟本能も目覚めるかもしれません。(東京海洋大学客員教授)

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