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食卓のサジでいただきマス 来た〜40センチニジ

[ 2017年2月17日 05:30 ]

白銀の富士は東山湖の象徴                               
Photo By スポニチ

 【釣りバッカ天国】昔、昔。水辺で食器を洗っていた人が、誤ってスプーンを落としてしまった。ゆらゆら沈んで行くスプーンに、ガブリッ、マスが食い付いた。…ルアーの、そしてスプーンのルーツとして、釣り人なら先刻承知のエピソードである。そこで今、釣りバッカ野郎が試そうというのは…。(スポニチAPC 若林 茂)

 ご想像通り、スプーン(サジ)で作ったスプーン、名付けて「リアル・スプーン」で釣ろうというわけです。この日使うサジ、いや、スプーンは別掲写真の7個。左の2個は小さめのコーヒー・スプーン製、次の2個は子供用のプラスチック製で浮力たっぷり、右の3個はカニ用を3分割したもの。

 釣り場はおバカ企画にいつも協力してくれる御殿場の東山湖フィッシングエリア。昨年暮れに予行演習をして、今日は本番である。好きなポイント「レストラン前」に入釣して、午前9時開始。

 うーん、釣れない、正直、釣れない。1種類につき10投ずつ、30分ほどでピンクのプラスチックにやっと30センチのニジマスがヒット。当たりは結構あるが乗ってこない。かなり昔の話だが、旧ホリデイロッジ鹿留に鹿留湖がオープンした頃の実験では、もっとよく釣れたのに。魚が利口になったのか、市販スプーンが進化したのか。答えは「100%後者」というのは東山湖の鈴木俊一場長、同感だ。

 昼前、隣に3人組が入ったので、照れ隠しにフライに転向すると、ほぼ入れ食いの大当たりになった。何を隠そう60センチ級のF1(エフワン=ここではブラウンとオショロコマの交配種)も来た。それも、前夜巻いた小さめのゾンカーに。スプーンの企画で不謹慎な、なんて言わないで。たかがバッカな企画ですから。

 午後から場所替え。遠浅で大型の回遊もあるポイント「枯れ松」だが、予期せぬハプニングも。オマツリして若いカップルにルアーを持って行かれた。

 「何?これ」

 「サジだよ、サジ!」

 (お若いの、本当のスプーンを知らねえな!)

 快挙はその直後だった。一番泳ぎのいいカニ・スプーンで水面直下を速引きして、35センチのカットスロートと40センチのニジマスが連続ヒット。ちなみにこのカニ用、6グラムで長さも6センチ。今後は「お気に入りスプーン」のワレットに編入だ。

 結論。やはり、市販のスプーンには歯が立たない。しかし、それだけで終わらせたくない。第一、作るプロセスが面白いし、夢がある。そして何より、この企画には取って置きの“オチ”がある。

 どうしても釣れなかったら…、サジを投げればいいのだから。

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