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「チェコニンフ」でニジマス50センチ超

[ 2017年1月13日 05:30 ]

会心の52センチに笑顔の吉田さん
Photo By スポニチ

【釣りバッカ天国】

 「チェコニンフ」をご存じだろうか。恐らく、フライ・フィッシング(FF)をされない釣り人には分からないはず。そのチェコニンフの名手・吉田俊彦さん(54=以下敬称略)と「うらたんざわ渓流釣場」へ行ってきた。極寒の渓で「世界最強のフライ・システム」はその威力を発揮できたのか…。(スポニチAPC 若林 茂)

 渓流釣りが禁漁期の今、この種の取材はほぼ管理釣り場に限られる。しかし、チェコニンフなどドロッパー(枝バリ)仕掛けは禁止されている釣り場が多い。理由はもちろん“釣れ過ぎる”からだ。

 そんな中で「どうぞ、ウチで」と快く引き受けてくれたのが相模原市の「うらたんざわ渓流釣場」の井上克彦代表。吉田も私も長年お世話になっている好釣り場で、自然のままの渓流「ヤマメ・クラシック」区域は当然のドロッパー禁止、取材はメイン釣り場の「ルアー・フライ・テンカラ・エリア」で。

 正月明けの道志川支流神之川は意外にも水量豊富。井上代表の「水温は3度。チェコニンフだって、そう簡単には釣れないよ」の励まし?を受けて第1投は午前9時。吉田は管理棟前の左岸からドロッパー2本とヘビーなニンフのリードフライという3点仕掛け?をアップクロスにキャスト、いきなり30センチ級のニジマスを先端のリードフライに食わせた。こちらは右岸側でカメラを胸にタイプ2ラインでストリーマーをリトリーブ、2度目の当たりで同型ニジマスがヒット。

 「チェコニンフの紹介も兼ねて…」。この釣りを企画したのは実は私の方。バリバスでおなじみの(株)モーリスのフィールドスタッフで大物狙いのFFマン・吉田とは15年前の「バーブレスフック普及協会」立ち上げ以前からの腐れ縁、いや、親友。10年前からNPO法人となった同協会で吉田は初代の事務局長に始まって現在は4代目の代表理事、私は万年副代表で「目の上のタンコブ」を自任、という“釣りバッカ同志”だ。

 吉田には“チェコニンフの伝道師”としての自負がある、たぶん。吉田がこれまで2回参加した「世界FF選手権」で敗れた相手が旧チェコスロバキア生まれのこのシステムだったのだ。スロバキア大会では優勝した同国のコーチに頭を下げて教えも請うた。

 左岸をそのまま釣り下って行った吉田からの携帯が鳴ったのはお昼ごろ。

 「なんとか50センチが…」。すぐ来い、ということだ。メジャーをあてると52センチニジマス。食ったのは真ん中のフライ“派手なアレキサンドラ”で、吉田は“捨てバリ”に来ちゃった、と白状したが、この辺もこの釣りの面白さであり、強さなのだろう。

 FF専門誌ではないのでこの釣法の全容紹介は他の機会に譲るが、詳しくは吉田のDVD「チェコニンフを極める」(発売元(株)クエスト)で。

 52センチをリリースした吉田、次のキャストは流心の大岩のエグレへ。60センチオーバーがゆらり、ヘビーなニンフに反応した。

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