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【旅ヂカラ漫遊記】北陸の美しき観光列車 男もくぐりた〜い!?「花嫁のれん」

[ 2018年3月14日 12:00 ]

伝統ののれんが掲げられた金沢駅ホームを出発する「花嫁のれん」
Photo By スポニチ

 2月の豪雪がすっかり消えた石川県金沢市で、大人気の七尾線観光列車「花嫁のれん」に乗った。金沢―和倉温泉を結ぶ、地元の伝統文化から生まれた美しい列車で、JR西日本が展開中の「ジャパニーズ・ビューティ・ホクリク」キャンペーンにもピッタリ。まだ間に合う冬の味覚の王者、ズワイガニも味わって、北陸の「美」と「味」を堪能した。

 花嫁の幸せを願い、婚礼の日にのれんを贈る伝統文化をそのまま名前にした「花嫁のれん」。午前10時15分、そののれんが掲げられた金沢駅のホームを、紅と黒のツートンカラーの車体に北陸伝統工芸の輪島塗や加賀友禅をイメージしてデザインされた列車が出発した。

 2両編成で、1号車は8つの半個室と車内販売のエントランスからなり、ゆったりとしたくつろぎの空間。通路には日本庭園の飛び石を思わせるじゅうたんを敷き、各部屋には友禅のオールドコレクションをあしらっている。エントランスの片側壁面は400年の歴史を誇る金沢金箔(きんぱく)で装飾。2号車は通路を流水に見立て、椅子は紅色の生地と背面の木の格子が特徴的な回転式で、内装は輪島塗の図柄を表現するなど、さながら“動く美術館”。「和と美のおもてなし」がコンセプトというのもうなずける。

 おもてなしはそれだけにとどまらない。車内では和倉温泉の旅館加賀屋の客室係と加賀屋で研修を受けたJR社員による4人の和装女性アテンダントが、沿線ゆかりのソフトドリンクやアルコール、グッズなどを販売したり、“もぐもぐタイム”の軽食を提供。羽咋駅を出発した午前11時すぎ、その中の一人、菅原佑弥さん(27)が世界的なパティシエ辻口博啓氏の「ル ミュゼドゥ アッシュ」オリジナルのスイーツセット(税込み2000円)を運んでくれたが、濃厚な味わいがよりいっそう引き立った。

 軽食はほかに加賀屋総料理長監修の和軽食セット(同2500円)と純米吟醸酒付きのほろよいセット(同2000円)を用意。出発駅と運行時間に合わせて販売されており、一流シェフの料理ばかりだ。列車はその後、七尾駅を経て午前11時42分、和倉温泉駅に到着。車窓に流れる海岸線や田園地帯の風景を目にする間もなく、美しさ、優しさ、そしておいしさを満喫した約1時間半。のれんを贈られる花嫁の気持ちが分かるような気がした。

 ≪急げ!ズワイガニは3月末まで≫福井県では「越前がに」、石川県では「加能ガニ」と呼ばれているズワイガニ。今月末まで食べられ、JR芦原温泉駅からバスで約40分の東尋坊商店街(坂井市三国町)の食事処(どころ)「夕なぎ」=(電)0776(81)3323=で越前がにのコース料理(8640円から)、加賀温泉駅からバスで約1時間の橋立港前の「マルヤ水産」(加賀市)=(電)0761(75)2013=で加能ガニの「カニガイド&限定利き酒セット」(2000円)をそれぞれ楽しんだ。どちらのカニも漁場が近いため鮮度抜群で値段は高いが、小さめでも味は申し分ない。マルヤ水産によると、おいしいカニの見分け方は、腹は白いより褐色がかっていて、手に持って重い(身が詰まっているため)のがいいとか。そんなガイドを聞きながら味わう地酒と小鉢各4種は格別だった。

 ≪“器”想天外テーブルウエア≫北陸新幹線新高岡駅からバスで35分。銅合金鋳物の町、高岡市で驚異の器に出合った。「能作」=(電)0766(63)0001=の錫(すず)製品。テーブルウエアが自在に曲がるのだ。「通常は硬度を持たせるため他の金属を加えますが、能作の錫はそれらを一切含まないんです」と広報担当の能作博美さん。錫製品を含め、400年にわたって育まれてきた鋳造の作業過程をガイド付きで見学できるのも貴重だ。

 ≪限定チョロQを5人≫「花嫁…」の車内でも販売している「チョロQ花嫁のれん」(税込み1296円)を5人にプレゼント。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、〒135―8517、東京都江東区越中島2の1の30、スポーツニッポン新聞社文化社会部「旅ヂカラプレゼント・北陸」係へ。3月21日の消印まで有効。発送をもって発表に代えます。

 ▽行かれる方へ 「花嫁…」は金、土、日、祝日中心に運行。1日2往復。乗車券のほか指定席特急券が必要。軽食は乗車4日前までに要予約。キャンペーンは3月末まで。問い合わせはJR西日本北陸案内センター=(電)076(265)5655。

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