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【旅ヂカラ漫遊記】ベトナムの世界遺産ハロン湾、幻想の世界はまるで山水画

[ 2018年1月17日 12:00 ]

大自然が創り出した芸術的な景観が広がるハロン湾。時間を忘れるほど美しい
Photo By スポニチ

 新春第1弾はベトナムの世界遺産――ハロン湾とチャンアンを訪ねた。北部にある海と川で、それぞれ1泊2日、2時間のクルーズを楽しんだが、どちらも壮大なスケールの奇岩が連なり、まるで山水画を見るよう。建国の父ホー・チ・ミンにちなんで改名した南部のホーチミン市(旧サイゴン)に代表される同国だが、北部にも景観では負けない観光地があった。

 コバルトブルーの大海原、洋上に浮かぶ奇岩の島々、その間をクルーズ船が行き交う――赤いバラのフラワーシャワーを浴びながら乗船したバーヤ号(40人乗り、455トン)が出港して20分はたっただろうか。サンデッキに上ってみると、さまざまなクルーズ船と多国籍の観光客でにぎわう港の風景は、すでに雄大な景観へと変わっていた。

 首都ハノイからバスで3時間半のハロン湾。約1500平方キロもの広大な湾内に大小約2000の奇岩が点在する。漢字で「下龍」と書き、親子の龍が海賊を滅ぼし、口から吐き出した真珠が奇岩になったと伝えられるが、絶景を目にしていると、そんな神話も信じたくなってくる。

 だが「この湾が最も美しく見えるのは太陽が沈み、昇るとき」と船員。午後5時20分、そのときがやってきた。オレンジ色の夕日に染まる海と島々。まるで龍が真珠ならぬ炎を吐いたような色で実に神秘的。そして翌朝6時半。薄紅色の朝もやに包まれる中、島影が徐々に浮かび上がっていく。まさに幻想の世界だ。

 その美しさにサンデッキから動けずにいると、アクティビティーの太極拳が始まった。予約せずに誰でも参加でき、大パノラマの中で朝日を浴びながらのレッスンは最高。朝食もいつも以上においしく食べられた。

 アクティビティーはほかにも用意されており、小舟に乗り換え、石灰岩が数億年にわたり浸食されてできた鍾乳洞や村人たちの水上生活村を見学。夕刻は船内バーカウンターでアルコールを1杯頼めば2杯目無料というハッピーアワーを楽しみ、夜は「料理の鉄人コンテスト」と題した生春巻き作りやイカ釣りに挑戦。飽きることがなかった。

 正午に乗船してから翌日午前10時半に下船するまで、景観美とクルーズのエキスが目いっぱい詰め込まれたプレミアムな22時間半。世界遺産のど真ん中でこれほどのぜいたくはないだろう。

 ≪チャンアン川でスリル満点クルージング≫ハノイから車で約2時間半。“陸のハロン湾”といわれるチャンアン(ニンビン省)の川クルーズではプチ冒険を楽しんだ。女性による手こぎ小舟(4人乗り)に乗って約2時間。田園地帯を縫うように延びる翡翠(ひすい)色の川を、さまざまな形の奇岩を見ながら進んでいく。さながら仙境の趣だが、クライマックスはいきなりやってきた。浸食でできた洞窟をくぐると、岩天井が舟底に座っても頭がぶつかるほど低く、頭を下げたりよけたりとスリル満点。前を行く舟からは女性の悲鳴が上がる。計9つ。遊園地のアトラクションのようだ。途中、陸地の寺院に寄るコースもあるが、眺めるだけにして近隣の古都ホアルーへ。968年からハノイに遷都される1010年まで、丁(ディン)朝など3王朝の都が置かれていた場所。今も朝廟(びょう)が残り、往時がしのばれた。

 ≪米オバマ氏も訪れたフーンリエンで舌鼓≫ベトナムといえば料理。板状のおこげご飯にヤギ肉や魚介のあんをかけて食べるコムチャイや牛肉などで取った透明のさっぱりダシに米麺を入れたフォーなどだが、ハノイではオバマ米前大統領も訪れたという「フーンリエン」でブンチャー(約200円)を味わった。焼き肉が入った甘酸っぱい汁に米麺と野菜をつけて食べるつけ麺で、癖がなく食べやすかった。

 ≪マグカップ3人に≫ベトナムの観光地のイラストが描かれたベトナム航空のオリジナルマグカップを3人にプレゼント。はがきに住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、〒135―8517、東京都江東区越中島2の1の30、スポーツニッポン新聞社文化社会部「旅ヂカラプレゼント・ベトナム」係へ。1月24日の消印まで有効。発送をもって発表に代えます。

 ▽行かれる方へ ベトナム航空を利用すると便利。ハノイへは成田、羽田、関西、中部、福岡各空港から週4〜7便。最短約5時間。航空会社格付け機関スカイトラックの四つ星に2年連続で認定。フルフラットシートでベッドのように快適なビジネスクラスも。通貨単位はドンで200ドン=1円。ハロン湾クルーズはハノイからのツアーで約3万4000円から。チャンアンクルーズ約900円。問い合わせは同航空日本支社=(電)03(3508)1481。

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