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スポニチフォーラム

第2回 スポーツにおける根性って?

シンポ「スポーツにおける根性って?」1

「稟議書サッカーは限界」とシンポジウムで述べる二宮氏(右)
Photo By スポニチ

 ◆出席者

 カルガリー五輪スピードスケート五百メートル銅メダリスト 黒岩 彰氏

 アトランタ五輪女子バスケットボール日本代表 原田 裕花氏

 スポーツジャーナリスト 二宮 清純氏

 司会 渡部節郎本社編集委員

 渡部 きょうは「スポーツにおける根性って何だ?」という、分かるようで分からないテーマです。すでに「根性」って言葉は死語じゃないのか、とも言われていますが、ちなみに皆さんは「スポ根」と聞いてどんな人物を想像しますか。

 二宮 劇画の世界ですけど、星飛雄馬なんか「根性」っていう時代ですよね。でも「根性」の解釈って本当に難しいと思います。

 昨年、ドイツW杯に取材に行った時、名門クラブの育成部長に「なぜ日本のFWは点が取れないのか」と聞いたら、ひと言「フェアルクト(狂気)」と言われました。そのくらいの気持ちがないと点は取れないっていうことなんです。

 98年のフランスW杯で3戦全敗した日本は、55本のシュートを放ちながらゴン中山の1本しか点を取れなかった。あの時のシュートの決定率は1・82パーセントで、世界最低(32カ国中)でした。枠に飛ぶ確立も20パーセントで世界最低。これでは勝てるはずがない。最後はフェアルクトなのか根性なのか。オシム監督も「最後は個の力だ」と言い始めています。あの時の戦いぶりを観て、これはまさに日本社会の縮図だと思いました。

 中盤でグルグルとよくパスが回ったのに、だれもシュートを打たない。グルグルとよく回るパスが、私にはダメになる会社の稟議書に見えました。稟議書サッカーの限界っていう記事を書いた記憶がありますよ。稟議書だけ回しても勝てない。最後は個の強さでどうやって打開していくか。

 渡部 いきなり確信に入りましたね。原田さんは日本のスポーツ界で根性っていうとだれをイメージしますか。

 原田 私も星飛雄馬の年代に近いですけど…。柔道の谷亮子選手なんかは、小さくてもガッツや負けない気持ちを持っていたり、(試練を)乗り越えて結果を残すという精神的な根性の持ち主だと思います。

 先ほどサッカーの決定率の問題が出ましたが、女子バスケットも6月に北京五輪のアジア予選が行われました。来年の世界予選までチャンスはあるわけですが、結局アジア予選で五輪切符をつかむことができなかった。初戦で中国と戦った日本は、思い切りのいい試合をして3ポイントシュートもバンバン決めて勝利することができました。

 でも、準決勝でもう一度中国と対戦した時は、ここで負けたら終わりという気持ちが先行。中国に勝ったイメージが残っているにもかかわらず、全然3ポイントも決まらなかったし、徹底的に攻めることもできなかった。あとで選手に聞いたら、選手同士の中で目が合わない、意思のコンタクトができない状態で「自分が」というより、だれかがやってくれるという流れになってしまったそうです。そういう意味では、気持ち的な根性がもう一つだったのかな、と思いました。

 渡部 バスケットのアジア予選になると、いつも同じ負け方をしている気がします。代表権は一つしかない中で、なぜか韓国の3ポイントは入るのに、日本は入らない。中国は(長身を生かした)ポストプレーがあるけど、韓国は日本と同じプレースタイル。やっぱり、最後は稟議書の問題なんですかね。

 原田 いい意味でのしたたかさとか、追い込んで練習してきているという過程の違いを、あとで振り返った時にいつも感じています。

 黒岩 (韓国と)技術的な差はあるんですか?

 原田 以前はありましたが、私が五輪に行くころには勝ったりするようになりました。なので結果を出せないでいると、メンタル部分の弱さを指摘されるという状況です。

 渡部 日本は追い込んだ練習が足りなかったということですか?

 原田 選手たちは頑張っていると自覚していると思います。OGの立場から見ると「頑張る」とか「粘る」という設定値がもっと上がっていけばいいと思います。

[ 2007年08月29日 ]

    

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